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2018年11月30日

SNS世代に刺さる雑誌とは? ヲタク・K-POP・付録…mini編集長に聞く

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左が12月1日発売の2019年1月号。右は2000年の創刊号

左が12月1日発売の2019年1月号。右は2000年の創刊号

出典: 宝島社提供

 「若者の雑誌離れ」が言われるなか、10代読者の新規開拓に挑んでいる雑誌があります。宝島社のストリートファッション誌・miniです。編集長に就任後、「ストリートスナップ廃止」「カタログから教科書へ」といった方針を打ち出してきた見澤夢美さん(38)に話を聞きました。

mini編集長の見澤夢美さん

mini編集長の見澤夢美さん

出典: 宝島社提供

こんな雑誌です


 2000年に創刊したmini。Tシャツ、デニム、スニーカーを基本とした「ボーイッシュだけど女の子」なスタイルを提案するストリートファッション誌です。

 10代後半から20代前半をターゲットにしており、日本ABC協会発表の雑誌販売部数によると、2016年下半期から2018年上半期にかけて女性ヤング誌部門で4期連続1位を獲得しています。

 大学卒業後、2004年にアルバイトとしてsweet編集部に入った見澤さん。

 2006年に宝島社の社員となってmini編集部へ。2011年に30歳で編集長に抜擢されました。

こちらが2000年の創刊号

こちらが2000年の創刊号

出典: 宝島社提供

まずは表紙


 見澤さんが取り組んだのが「表紙」の改革です。

 ストリートっぽさを出すために、それまでのツルツルした手触りのものからマットな質感のものに変更し、文字色もネオンカラーの単色に。

 誌面で「ギャル系」「清純派」とまったく系統の違う2人を看板モデルに起用して、普段のイメージとは関係なくストリートファッションを着てもらっていましたが、表紙でも同じ取り組みを始めました。

 現在もこのコンセプトは続いており、有村架純さん、川口春奈さん、小松菜奈さんといった女優に、あえてストリートファッションで登場してもらっています。

 その狙いについて、見澤さんはこう話します。

 「いろんな雑誌の表紙に登場されている女優さんですが、ストリートファッションで登場するのはminiだけ。意外にも思えるこの組み合わせが、SNSでは見られない、この雑誌だけのものなので、手にとってもらえるんです」

永野芽郁さんを起用した2018年10月号は完売

永野芽郁さんを起用した2018年10月号は完売

出典: 宝島社提供

誌面改革のポイントは


 雑誌の中身で変えたのは、大きく分けて3つ。その1つが「カタログから教科書へ」です。

 かつて雑誌といえば、新商品や人気商品を並べることがメインでしたが、商品だけを並べることをやめてコーディネートの提案中心に変えました。

 「今は気になる商品をスマホで検索すれば、ZOZOTOWNなどで詳しく見ることができます。定期刊行の雑誌ではそのスピードに追いつけない分、着こなすための教科書になることを目指しています」

 2つ目が「ストリートスナップの廃止」。

 街中で見つけたおしゃれな人たちを撮影して特集するストリートスナップは、かつては人気コンテンツでした。

 しかし、SNSが普及した現在では、Instagramで気になる人をフォローすれば事足りるようになっています。

 「読者アンケートの結果を見ていても、スナップは弱くなったと感じていました。今の雑誌でやる意味があるのかを考えて廃止することにしました。代わりに力を入れているのがビューティー特集です」

かつては新商品や人気商品を並べることがメインでした(左)。現在は商品だけを並べることをやめてコーディネートの提案中心に(右)

かつては新商品や人気商品を並べることがメインでした(左)。現在は商品だけを並べることをやめてコーディネートの提案中心に(右)

出典: 宝島社提供

読者の価値観が変化


 最後の3つ目が、この「ビューティー特集」。

 創刊当初から表紙を見比べてみると、年々メイクが濃くなっており、関心が高まっていることがわかります。

 そこで「時短」「基本のキ」などのキーワードを設定して、メイクやヘアアレンジの特集を組むように。

 当初は後ろの方のページでしたが、次第に昇格して巻頭特集を飾るまでに成長しています。

 「私の個人的な感想ですが、東日本大震災以降、読者の価値観が変わったように思います。それまで『こんなに服を持っている』という満足だったのが、自分を磨く・自分に投資するという流れに」

巻頭でメイクを特集

巻頭でメイクを特集

出典: 宝島社提供

付録が左右する?


 宝島社の雑誌といえば、多くの人がイメージするのが「豪華付録」です。miniも例外ではありません。

 ベーシックなものを、使うシーンまで想定して企画しているそうで、主導するのはコラボする企業ではなく、あくまで編集部だといいます。

 「こちらから『こんな商品を付録にできませんか』と提案しています。mini編集部では付録と広告は切り離しています」

 今年の3月号に付録としてつけたミッキーマウスがデザインされたバッグは、Instagramでも話題に。

 東京ディズニーランド・ディズニーシーに持って行って、キャストにサインをもらうという人たちが相次いだそうです。

今年の3月号に付録としてつけたミッキーマウスがデザインされたバッグ

今年の3月号に付録としてつけたミッキーマウスがデザインされたバッグ

出典: 宝島社提供


 「売り上げを左右するのは、中身じゃなくて付録なんじゃない?」といった意見も時折見かけますが、見澤さんはどう考えているのか。

 「雑誌の売れ行きを左右するのは、表紙・巻頭特集・付録の3つです。付録が豪華だからといって中身を手抜きするわけではないので、結果的に仕事は増えています。『どうせ付録のおかげでしょ』と言われたくないからこそ、編集にも力が入ります」

 雑誌も作れて、モノ(付録)も作れて、それで読者に喜んでもらえるなら、それが一番。見澤さんはそう考えています。

2019年1月号の付録はクリスマスコフレ

2019年1月号の付録はクリスマスコフレ

出典: 宝島社提供

ヲタ活に照準


 もう一つ、売り上げを左右しているのが「ヲタク」です。

 miniの場合は「K-POP」や「LDH」(EXILEやE-girlsの所属事務所)の特集が該当するそうです。

 「どちらも共通するのは、ファッションがストリートという点です。雑誌に興味がなくても特集すればファンが手にとってくれます。ヲタ活にはお金を出してくれるんです。K-POPもLDHも、ストリートファッションとリンクしているので、一度読んでもらえれば定期読者になってくれる可能性が高いんです」

 あの手この手で若者へのリーチを図ってきた見澤さん。今後の展開についてはこう話します。

 「音楽とファッションをリンクさせたリアルイベントをやってみたいです。きっとSNS疲れってあると思うんです。だからこそ同じ場所に集まって盛り上がる、オフラインのつながりが求められるんじゃないかなって」

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