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飲み屋の「お通し」に漫画も選べます! 講談社の副部長に狙いを聞く
お通しの一品として「漫画も選べます」という取り組みを講談社が企画しました。
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お通しの一品として「漫画も選べます」という取り組みを講談社が企画しました。
居酒屋などで導入されている「お通し」。注文していないのに小鉢が出てきて、テーブルチャージ代わりに数百円の代金を取られることもあります。そんなお通しの一品として「漫画も選べます」という取り組みを講談社が企画しました。居酒屋「はなの舞」のチムニーに持ちかけて、東京都内の4店舗で実施中です。担当者に経緯を聞きました。
今月6日に始まった「お通しコミック」。通常のお通し代350円(税込み)で、「食品のお通しのみ」か「食品のお通し+コミック」のいずれかが選べる仕組みです。
「はなの舞」池袋西口公園前店など都内4店舗で実施中で、コミックがなくなり次第終了となるそうです。
用意されている漫画は、講談社の月刊少年シリウスで連載中の『はたらく細胞』(清水茜)のつまみ読み特別編。人間の体内の細胞を擬人化して描いた作品でシリーズ累計250万部を突破。TVアニメも放映中です。
つまみ読み特別編は、スピンオフ漫画『はたらく細胞 BLACK』『はたらかない細胞』『はたらく細菌』も収録しており、160ページとボリュームがあります。
どういった経緯で「お通しコミック」を実施することになったのか? 講談社第三・第四事業販売部の副部長・菅谷章紀さんに話を聞きました。
――「お通し」としてコミックを選べるアイデアはどのようにして生まれたのでしょうか
書店以外の新たな販路を模索しているなかで、全く書店に行かない人に作品を届ける方法を考えていて、居酒屋にたどり着きました。
小さな飲食店や理容店、美容室などに雑誌やコミックが置かれていて、そこで初めて読むというシーンはよくあります。
また、単行本と似たような価格でお通しが提供されており、お通しが「小鉢付きのテーブルチャージ」だとすれば、頼んでいない食べ物よりも、コミックという選択肢があれば、需要はあるのではないかと思いました。
――この企画の狙いは
コミックの新しい販路を探すということが前提ではありますが、意外な場面で作品に触れてもらう機会になればと思っています。
――講談社で企画してチムニーに持ち込んだのでしょうか
弊社からご提案させていただきました。
――『はたらく細胞』を選んだ理由は
企画を試すにあたって、当初はグルメ漫画などを検討していました。ただ、全く受け入れられるかわからない「お通しコミック」という企画をなるべく多くの人に伝えて反応を見るためには、今話題の作品がよいだろうということで、『はたらく細胞』になりました。
血は出るわ、おならの話はあるわで、食事どきには向かないかもしれないという危惧はありましたが、大人気のアニメ化作品ということで、先方にも大変好評でした。
――お通しにするにあたって、収録する話の選定で工夫した点があれば
それぞれの作品の冒頭を選定しているので、工夫はありません。『はたらく細胞』にアニサキスが出てくる回があるので、その回にする考えもなくはなかったのですが、お刺し身を提供している居酒屋であえてそのように“合わせにいく”のは食欲をそぎかねないと思い、結局それぞれの冒頭になりました。
――現時点での反応・反響は
当日からお店に問い合わせがあり、SNS上では割と好意的に受け止めていただけていると思っています。
――なくなり次第終了とありますが、だいたいの目安は
チムニー様とは1カ月ぐらい配布する見込みで数量を決めています。
――反響を受けて拡大する考えは
チムニー様次第ではありますが、弊社としてはぜひ全国展開してみたいです。
――「試してみたい」という人に向けてメッセージを
お通しもニーズに合わせて多様化してよいと思うので、お店でお通しにコミックが選べる「違和感」を楽しんでいただきたいです。
◇ ◇ ◇
【お通しコミック実施店舗】
・はなの舞 池袋西口公園前店
・はなの舞 新宿東南口店
・はなの舞 新宿西口パレット店
・はなの舞 護国寺店
※なくなり次第終了
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