話題
どつき、遅刻、会見なし…トランプ氏、ヨーロッパで「困ったちゃん」
アメリカのドナルド・トランプ大統領は24日から27日にかけてヨーロッパを訪問しました。たくさんの国が集まる外交の場に、大統領として初めて参加したトランプ氏。相変わらずのマイペースぶりで場をかきまわし、「困ったちゃん」ぶりを世界に見せつけました。
ぞろぞろと移動する各国の首脳たちの後ろから現れたトランプ氏。前を歩いていた人を右手で叩くようにして押しのける様子が映っていました。
Did Trump just shove another NATO leader to be in the front of the group? pic.twitter.com/bL1r2auELd
— Steve Kopack (@SteveKopack) 2017年5月25日
これは25日、ベルギーの首都ブリュッセルで開かれたNATO(ナトー、北大西洋条約機構)首脳会議でのひとコマ。
各国首脳は記念撮影に向かうところでした。
周囲の人のとまどいを気にする様子もなく、胸を突き出すと、スーツのジャケットを両手でビシッと整え、「ドヤ顔」を決めたトランプ氏。
各国のメディアは、トランプ氏が目立とうとしてこんなことをしたのではないか、と報じました。
「ハリー・ポッター」シリーズ著者のイギリス人、J.K.ローリングさんは「ちっちゃい、ちっちゃい、ちっちゃい男」とツイートしました。
You tiny, tiny, tiny little man.
— J.K. Rowling (@jk_rowling) 2017年5月25日
pic.twitter.com/mP3mad6cMt
トランプ氏に押しのけられたのは、モンテネグロのマルコビッチ首相。
アドリア海に面し、福島県と同じくらいの広さに約62万人が住む小さな国で、2006年に独立。NATOへの加盟も最近認められたばかりでした。
マルコビッチ氏は「気にならなかったよ」と大人の対応をしたそうです。
NATOはヨーロッパとアメリカ、トルコなどの軍隊が互いに助け合う同盟で、今回の会議では「テロとの戦い」「ロシアの脅威」など大事なテーマがありましたが、トランプ氏のふるまいが最も注目を集めてしまいました。
ちなみに、集合写真の立ち位置は事前に決まっていたそうです。
また、ドイツの有名な雑誌、シュピーゲルのオンライン版によると、トランプ氏は同じ25日にあったEU(欧州連合)首脳との会議で、「ドイツはダメだ、超ダメだ」と発言。
「彼らがアメリカで売ってる何百万台という車を見ろ。まったくとんでもない。止めてやる」と続けたそうです。
トランプ氏側近のゲーリー・コーン国家経済会議議長は「ドイツとは何の問題もないが、貿易は非常に良くないと言っただけだ」としています。
トランプ氏はこれまで、日本車にもアメリカで売れすぎだと文句を言っています。そのうち矛先が日本にまわってくるかもしれません。
26日と27日には、イタリアのシチリア島でG7(ジーセブン)サミットがありました。
去年は伊勢志摩で開かれたことが記憶に新しい、日本、アメリカ、ヨーロッパなどの先進国7カ国が、様々な世界の課題を話し合う会議です。
ヨーロッパは、シリアなど中東からの難民問題に揺れています。
特に議長国のイタリアは地中海を挟んで中東と面しており、たくさんの難民を受け入れています。
報道によると、イタリアは難民の権利を認め、難民を受け入れることにはメリットもあることを訴えるような内容で、7カ国共同の声明を出そうとしていました。
ところが、アメリカの反対で消えてしまったといいます。
トランプ大統領は、中東やアフリカなど6カ国の国民に対し、アメリカ入国を禁止する命令を出した人です。(命令は裁判所によって差し止めの状態)
トランプ氏は27日の会合に30分遅刻。
アフリカを支援しようと、特別にアフリカから5カ国の首脳らを迎えた会合でした。
イタリアのジェンティローニ首相が、遅れてきたトランプ氏に翻訳用ヘッドホンを付けるよう促しましたが、つけなかったそうです。
サミット閉幕後の会見はなし。
トランプ氏は会場のシチリア島にあるシゴネラ空軍基地へ行き、駐留米兵の前で「どこに行ってもホームランを打った」などと自画自賛を繰り返したそうです。
1/16枚