IT・科学
熊本地震「ふっこう割」 応募殺到でサーバーダウン 宿泊券70%割引
熊本地震で深刻な影響を受けた熊本県の観光を支援するため、20日から購入が始まった「九州ふっこう割 熊本宿泊券 第一期」の購入サイトへの応募が殺到し、つながりにくい状態が続いている。先着順で買えるはずが、偶然サイトにつながった人が買える事態になっており、熊本県の委託を受けたサイト運営会社や、県には不満や苦情が殺到している。(朝日新聞大阪本社科学医療部・松村北斗)
このサイトは「VISIT熊本県」。県の委託で三重交通グループの観光販売システムズ(名古屋市)が運営している。
「電話はずっとふさがった状態。ファクスもメールも大量に届いています」。
21日夕、熊本県の担当者は取材に語った。県として応募が殺到する事態を想定して、適切な委託先を選べなかったのかといった批判も寄せられたという。
宿泊券は国の交付金が原資で、7月20日から9月30日に熊本県に宿泊する人を対象に、1枚5千円の宿泊券を70%割引の1500円で、1人6枚まで購入できる。ネットではこのサイトで販売している。
だが、20日午前10時の発売開始直後からつながりにくい状態に。購入ページに入れないとか、うまく、購入枚数を指定できても決済ページに進めない、などの事態になった。
観光販売システムズのコールセンターの担当者の説明によると、サイトに想定を超えるアクセスがあり、サーバーが処理しきれない状態になった。同日昼ごろにサーバーの台数を9台から18台に増やしたが、つながりにくい状態が21日も続いた。
同社は購入希望者からの「残り枚数の情報が欲しい」との声を受けて、21日からは、「大変混雑しています」という表示に加えて購入可能な残り枚数をサイト上で表示を始めた。改善を続けており21日午後からは少しつながりやすくなった、としている。
ネット上にも「いつ買えるのか」「サイトのアクセスの想定が甘すぎる」「県民だが、こんなことで熊本の評判が悪くなるのは残念だ」といった意見が書き込まれている。システムズの担当者は「熊本県を応援したいというお客様に、ご不便をかけてしまい、申し訳ないです」と取材に話した。
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