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今年のワースト謝罪「杭データ偽装」目立った企業不祥事 専門誌調査

今年、最も残念だった謝罪は「杭データ偽装」。個人の謝罪が多かった昨年と比べ、企業の不祥事が目立つ結果に。

記者会見の冒頭、頭を下げる、(手前から)旭化成建材の前田富弘社長、旭化成の柿沢信行執行役員、平居正仁副社長=2015年11月13日
記者会見の冒頭、頭を下げる、(手前から)旭化成建材の前田富弘社長、旭化成の柿沢信行執行役員、平居正仁副社長=2015年11月13日 出典: 朝日新聞

目次

 今年、最も残念だった謝罪は「杭データ偽装」。個人の謝罪が多かった昨年と比べ、企業の不祥事が目立つ結果に。広報の専門誌「広報会議」が発表した2015年の「ワースト謝罪」では、食品の異物混入、五輪エンブレムなど、話題を集めた「謝罪」が並びました。

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旭化成建材・三井不動産に集中

 アンケートでは全国の20代以上の男女500人を対象に、最も印象が悪かった事例についてアンケート調査を実施。上位3位に投票してもらいました。

 1位には、旭化成建材の「杭データ偽装」と、発端となったマンションを販売した三井不動産の「傾きマンション」問題があがりました。全体の7割近くの人が選ぶ結果になりました。

決算会見で謝罪する三井不動産の佐藤雅敏常務(中央)ら=2015年11月6日
決算会見で謝罪する三井不動産の佐藤雅敏常務(中央)ら=2015年11月6日 出典: 朝日新聞

 2位は、マクドナルドの異物混入。1月にチキンマックナゲットからビニール片が見つかったという苦情をきっかけに、ツイッターなどで次々と同様の指摘が投稿されました。

会見で頭を下げる日本マクドナルドホールディングスの青木岳彦上席執行役員(右)ら=2015年1月7日
会見で頭を下げる日本マクドナルドホールディングスの青木岳彦上席執行役員(右)ら=2015年1月7日 出典: 朝日新聞

 3位には、東京五輪エンブレム問題が入りました。ネット上での盗作疑惑から、資料に使った画像の無断使用が発覚。佐野研二郎氏が手がけた過去のデザインについても、盗作を指摘する声が相次ぎました。

記者会見でエンブレムのデザインの過程を説明する佐野研二郎氏=2015年8月5日
記者会見でエンブレムのデザインの過程を説明する佐野研二郎氏=2015年8月5日 出典: 朝日新聞
販売元の三井不動産レジデンシャルが開いた住民説明会最終日の16日夜、杭を施工した旭化成建材の前田富弘社長が初めて出席した。説明会後、データ偽装のあった杭の担当者について「同一。実質的には2人だが、改ざんしたのはほぼ1人と思っている」と述べた。
2015年10月18日:杭70本偽装、同一人物か 旭化成建材が説明 マンション傾斜:朝日新聞紙面から
2020年東京五輪の大会組織委員会が佐野研二郎氏デザインのエンブレムの使用を取りやめた問題に関連し、群馬県太田市は2日、来秋に開館予定の「おおたBITO 太田市美術館・図書館」向けに佐野氏が手がけたロゴのデザインを使わないと決めた。
2015年10月3日:佐野氏ロゴ、使用を断念 群馬・太田の美術館:朝日新聞紙面から
日本マクドナルドは14日、一連の異物混入を踏まえ、苦情対応の向上をめざす組織を新たに設けるなど対応策を発表した。店の調理体制を再点検したほか、今後、外部機関による監査を予定。食材などの調達先には、いまの管理基準の徹底と、さらなる改善を求めたという。また青森県三沢市の店で3日に売ったチキンマックナゲットから青いビニール片が見つかったという苦情が寄せられた件については、混入経路は特定できなかったという。
2015年1月15日:苦情対応へ新組織 マクドナルド:朝日新聞紙面から

昨年は、STAP細胞・号泣県議・ゴーストライター…

 昨年のランキングを見ると、1位はSTAP細胞問題の小保方晴子氏、2位は政務活動費の不正問題の野々村竜太郎元兵庫県議、3位は別人による曲の代作などを謝罪した佐村河内守氏でした。

 2015年の主役が企業であるのに対し、2014年は個人の「謝罪」が印象に残る年だったことがわかります。

 ちなみに、2014年の4位にはマクドナルドの仕入れ先だった中国・上海の工場が、使用期限切れの鶏肉を使っていた問題が入りました。マクドナルドは、2年続けてのベスト10入りです。5位はベネッセの個人情報流出問題でした。

【動画】会見で号泣しながら釈明する野々村竜太郎氏=2014年7月1日 出典: 朝日新聞デジタル

「優良企業の不祥事目立った1年」

 謝罪から見た2015年とは、どんな年だったのか。「広報会議」の森下郁恵編集長は「大手の優良企業による問題が目立った一年でした。一般社会は不祥事の原因を『トップの責任』『企業や組織の風土』と見ている。経営と一体となった広報の役割が求められている」と解説します。

“お家騒動”でお騒がせも

 一方、不祥事ではないものの、企業の株保有をめぐる“お騒がせ”も人々の記憶に残りました。大塚家具創業者の大塚勝久氏と長女の久美子社長が、経営方針をめぐって対立。久美子氏の社長続投で決着しましたが、民事訴訟で争うなど対立が続いています。父娘が別々に会見を開き、それぞれの主張を否定し合う一連の応酬が、7位にランクインしました。

大塚家具の新しいブランドロゴを紹介する大塚久美子社長=2015年7月、東京・新宿
大塚家具の新しいブランドロゴを紹介する大塚久美子社長=2015年7月、東京・新宿 出典: 朝日新聞

【2015年最も印象に残った不祥事ランキング】
(括弧内は回答者500人中の選択者数の割合)

1位 旭化成建材・三井不動産「傾きマンション」問題(67.2%)
2位 マクドナルド、異物混入問題(39.2%)
3位 東京五輪エンブレム問題(35.2%)
4位 フォルクスワーゲン排ガス不正問題(33.0%)
5位 東芝不正会計問題(27.4%)
6位 日本年金機構 情報流出問題(23.0%)
7位 大塚家具、お家騒動(21.0%)
8位 読売巨人軍、野球賭博関与問題(19.4%)
9位 東洋ゴム工業、免震ゴム偽装問題(15.4%)
10位 タカタ、エアバッグ異常破裂問題(13.8%)

※括弧内は回答者500人中の選択者数の割合
※以下の12項目より選択。マクドナルド・チキンナゲット等への異物混入問題、大塚家具「お家騒動」、東芝不正会計問題、東洋ゴム工業・免震ゴム偽装問題、タカタ・エアバック異常破裂問題、トヨタ女性CCO逮捕問題、日本年金機構情報流出問題、フォルクスワーゲン排ガス不正問題、東京五輪エンブレム撤回問題、旭化成建材・三井不動産など「傾きマンション」問題、日本歯科医師連盟(日歯連)迂回献金事件、読売巨人軍・野球賭博関与問題

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