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28歳OLが「M─1」挑戦して惨敗した 「芸人さんってすげぇ」
同僚に誘われ、漫才に挑戦することになった私。男女共用の楽屋におののき、熱気ムンムンの舞台で緊張は最高潮に…。その舞台裏とは?
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同僚に誘われ、漫才に挑戦することになった私。男女共用の楽屋におののき、熱気ムンムンの舞台で緊張は最高潮に…。その舞台裏とは?
本番前日。自分たちの本番の会場であるヘップホールでの漫才を下見。なんと満席!立ち見も!中高生が多い!時事ネタ漫才をかましているコンビへの反応は薄い。
1日の出場者数は40~60組程度。1日だいたい3組くらいのコンビが欠席してました。
2次予選に進めるのは約半分。素人の冷やかしも混ざってるだろうし、半分より上に入るなんてたやすい!と思ってたのですが、全然そんなことありません。
「素人の冷やかし」は一人もいませんでした。アマチュアでも、作家ついてるんちゃう?というくらい作り込んだ漫才をしているコンビもありました。
この日もアマチュアが全滅。プロは、とにかく声が出ていて、間の作り方が絶妙。そして、ネタが作り込まれている。勝てるわけがない!!!私らよりつまんない人いないわよ!!
というわけで、3ゴロでも一塁にヘッドスライディングする的なわかりやすいやる気を見せなければならないと気づきました。
ネタの目安は2分。でも、2分で強制終了ではなく、2分15秒でピコピコピコという音とライトが点滅、2分30秒でドカーンという音とともにライトが落ちる。
私たちの練習では2分10秒前後。15秒のピコピコに動揺しないように、15秒タイマーをセットして練習しました。
審査員は放送作家2人に主催者の朝日放送の社員1人の計3人。100点満点で審査されるようです。
点数は非公表。合格したコンビのみが、当日、会場で発表されます。
ついに迎えた本番当日。
とにかく朝から気持ち悪い。けど、無理やりテンションを上げる。本番の2時間前に集合して声だし。そして、振り返り。
「いけるよ、私たちなら、いけるよ」
M─1への挑戦の日々を、個人のフェイスブックで報告してきた私たち。フェイスブックに書き込まれた「がんばれ!」のコメントを読み込んで士気を高めました。
会場に入ると、すぐに控室へ。狭い控室に20組みほどはいたでしょうか。女性コンビは少なく、男性陣がその場で着替えるので所在なく、うろうろ。トイレも男女共用で一つしかないので、できるだけ水を飲まないように気をつけました。
自分たちの3組前くらいから呼び出され、会場の裏にスタンバイ。前の人のネタがいつ終わるのかわからないので、心臓が爆発しそう!
人も多く熱気でムンムンしていることもあり、嫌な汗がだらだら。
その横でテレビで見たことあるような有名コンビはマスコミの取材を受けていました。さすが余裕っす!
すみません、ここから先は覚えてません。頭が真っ白になりました。ネタが飛びました。
だって、想像してないところで笑いが起きたり、笑ってほしいところで静まりかえったり。想定外の連続なんですもの!!!
甲子園に魔物が住んでいるとはよく聞きますが、やっぱりたくさんの人の視線、歓声に、私のような弱小ピッチャーは負けてしまいました。長台詞を言ったあとの「言えた!」感でそれ以降がぶっとびました。こんなことってあるんやな~
残念なことに「ごめん、今、ネタとんだわ」と言った時が1番笑いが起きるという素人っぷりを発揮してしまいました。恥ずかしい。
終わったあとは、これまた生まれて初めて胃が痛くなりました。私のせいで、せっかく作ったネタは散々な結果に。相方に「本当ごめん。私のせいでごめん」と謝っても謝っても足りないくらい落ち込みました。
「先輩たちの夏をぼくのミスで終わらせてすみません」。1年生投手の心境です。
相方は言いました。「大丈夫、一緒に漫才を追いかけた日々は宝物やで」。あした~きょうよりも好きなれる~♪もう頭の中ではGReeeeNが流れてます。