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風営法の改正でフジロックどうなる? 六本木のクラブは壊滅の懸念も
風営法が改正され、来年から夜通しのクラブ営業も可能に。その一方、フジロックなどの音楽フェスやライブハウスへの規制強化につながる懸念もでています。論点をまとめました。
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風営法が改正され、来年から夜通しのクラブ営業も可能に。その一方、フジロックなどの音楽フェスやライブハウスへの規制強化につながる懸念もでています。論点をまとめました。
尾立源幸議員(民主)は七つの具体例を挙げ、どんな営業が「特定遊興飲食店」の許可取得対象に当たるのか、ただしました。いずれも深夜に酒を出すことが想定されており、警察庁の答弁をまとめると以下のようになります。
特定遊興に当たらない場合は○、当たる場合は×、ケース・バイ・ケースのものには△をつけてみました。
①ホテルの大広間でのカウントダウンイベント……○
→年に一度、数時間程度に限って行われるようなイベントは、反復継続性を欠くため営業には当たらず、該当しない。
②数日間にわたり野外で開催されるロックコンサート……△
→ある程度の期間にわたり、反復継続して使用するに耐え得る程度の設備を設けて営業する場合は該当する。
③ホテルのバーで深夜のライブ演奏……×
→客の反応に応じて演奏することが想定され、遊興に該当する。
④カラオケボックスでのイベント……△
→単にカラオケの機材のみを置いている場合は、店側の積極的介在がないため該当しない(ただし、小坂議員に対して、カラオケ大会を開く場合は該当すると答弁)。
⑤クラブイベント……×
→音楽や照明の演出やDJによる客への呼びかけなど、積極的な働きかけのもとで不特定の客にダンスをさせることが通常のため該当する。
⑥映画館で深夜にビールを提供……○
→一般的に客席部分は飲食をさせるためのスペースではなく、特定遊興「飲食店」に該当しない。
⑦深夜に寄席でビールを提供……△
→ 落語は客の反応に応じて演じたりすることが通常のため、遊興に当たる。ただ、客席は飲食をさせるための設備に当たらないケースが多いとみられ、その場合は特定遊興「飲食店」に該当しない。
警察庁の基準によると、遊興とは「営業者側の積極的な行為によって客に遊び興じさせる行為」。機械を置いているだけのカラオケは原則セーフですが、DJの呼びかけるクラブは遊興に分類されています。
頻度については、年に1度、数時間ならOKとする一方で、「ある程度の期間」に及ぶ場合には、許可取得を求められます。警察庁の辻局長の答弁の通りなら、フジロックやサマーソニックなど、数日間にわたるイベントを無許可で開催すると、摘発される可能性も排除できません。
ライブエンターテインメント事業者で組織する「コンサートプロモーターズ協会」の山本幸治常務理事は「音楽フェスは大小合わせて年間100ほど開かれており、影響が大きい。無許可だと懲役というのはシャレにならない」「許可を取るにしても事前の検査に時間がかかるようでは費用がかさんでしまう。フェスやライブについて、除外してもらえるよう、警察庁に理解を求めていきたい」と語ります。
「日本ダンスミュージック連盟」の理事長で「日本音楽制作者連盟」の理事でもある浅川真次さんは「遊興は非常に大きな問題で、深夜のライブやコンサートにもかかわってくる。クラブのみならず、音楽・エンターテインメント業界全体として、問題を訴えていきたい」と話しています。