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ピース又吉、芥川賞なるか 尊敬する太宰はもらえず…16日発表

芥川賞・直木賞が16日に発表されます。尊敬する太宰治が熱望しながらかなわなかった賞を、ピース又吉さんは手にすることができるのでしょうか。

芥川賞の候補となった又吉直樹さん
芥川賞の候補となった又吉直樹さん 出典: 朝日新聞

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 第153回芥川賞・直木賞が16日に発表されます。お笑いコンビ「ピース」の又吉直樹さんが芥川賞候補になって、注目を集めています。尊敬する太宰治が熱望しながらかなわなかった賞を、又吉さんは初めてのノミネートで手にすることができるのでしょうか。

「人生で得たもの、表現に生かして」北上市であった詩歌文学館賞記念シンポで講演する又吉直樹さん=2015年5月
「人生で得たもの、表現に生かして」北上市であった詩歌文学館賞記念シンポで講演する又吉直樹さん=2015年5月 出典: 朝日新聞

太宰との因縁

 又吉さんが芥川賞候補と発表され、話題を呼んだ6月19日。くしくも太宰治の誕生日でした(1909年生まれ)。又吉さんはツイッターで「今日は、尊敬する太宰治の誕生日です。僕が上京してから、桜桃忌に雨が降るのは初めてではないでしょうか。いつも、好き勝手言わせていただいて、本当に感謝しています」とつぶやいています。
 太宰への思いは、過去のインタビューでも語ってます。

 大阪から上京して最初に住んだ三鷹のアパートは、太宰治が暮らした家の敷地跡に建った建物だそうです。中学の頃から夢中で読んだ作家ですから、小説に「三鷹」って地名が出てきたなくらいの知識はあったけど、住所までは知りません。住み始めて、地図片手に太宰のお墓とか足跡をたどっている時、図書館で調べたら、「あ、家、ここやったんや」と。もう15年くらい前の、ウソみたいな話ですけど。
(リレーおぴにおん)TOKYO風景:2 残酷で、まれに優しい街 又吉直樹さん:朝日新聞デジタル
『人間失格』で太宰が書きたかったのは、全てを笑い飛ばす必要はないということなんちゃうかなと。お笑い芸人をやっていながらなんですが、僕も悲しいことは悲しいことで、笑い飛ばす必要ないと思ってるんです。
「全てを笑い飛ばす必要ない」 又吉さん小説、発行35万部:朝日新聞デジタル
又吉直樹さん=2012年撮影
又吉直樹さん=2012年撮影 出典: 朝日新聞

 太宰は1935年の第1回の芥川賞で候補になりましたが落選。川端康成の選評にかみつき、騒動となりました。その後、選考委員の佐藤春夫に懇願し、賞を欲しがった話は有名です。
 又吉さんも、芥川賞に強い関心を持っていたようです。

 芥川賞の受賞作が載るたびに「文芸春秋」を買ってました。好きな作家、古井由吉さんの選評を読みたかったからです。
(思い出す本 忘れない本)ピース・又吉直樹さん(お笑い芸人)と読む『何もかも憂鬱な夜に』:ブック・アサヒ・コム

 今回は自分が評価される立場になります。どんな気持ちで、選評を読むことになるのでしょうか。

異色候補、過去にも

 芸人という経歴から「異色」の芥川賞候補と話題ですが、過去にも小説家とは別のイメージが強い候補者がいました。
 町田康さんはパンクロッカー、辻仁成さんはロックバンド「エコーズ」で、まずは世に知られてました。二人とも芥川賞を受賞し、今では作家としての地位を確立してます。もっとさかのぼると、アングラ演劇の旗手だった唐十郎さんや前衛美術家の赤瀬川原平さん(尾辻克彦名義)も受賞者です。
 最近では、マルチな分野で活躍するいとうせいこうさん、劇作家の松尾スズキさんが候補になりました。

芥川賞を受賞し、記者会見をする辻仁成さん=1997年
芥川賞を受賞し、記者会見をする辻仁成さん=1997年 出典: 朝日新聞

居並ぶ実力派たち

 今回、又吉さん以外に、どのような候補がいるのでしょうか。
 島本理生さんは、10代で初めて芥川賞候補となり、今回が4回目です。野間文芸新人賞を03年に最年少で受賞し、「リトル・バイ・リトル」「ナラタージュ」などで知られてます。
 羽田圭介さんも4回目の候補。高校在学中に文藝賞を受賞した29歳です。
 高橋弘希さんは、前回に続いての候補です。
 実力派が並ぶなか、又吉さんはどのような評価を受けるのでしょうか。

      ◇
 第153回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の候補作は次の通り。(敬称略、50音順)

 【芥川賞】内村薫風「MとΣ」(新潮3月号)▽島本理生「夏の裁断」(文学界6月号)▽高橋弘希「朝顔の日」(新潮6月号)▽滝口悠生「ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス」(新潮5月号)▽羽田圭介「スクラップ・アンド・ビルド」(文学界3月号)▽又吉直樹「火花」(文学界2月号)

 【直木賞】門井慶喜「東京帝大叡古教授」(小学館)▽澤田瞳子「若冲」(文芸春秋)▽西川美和「永い言い訳」(文芸春秋)▽馳星周「アンタッチャブル」(毎日新聞出版)▽東山彰良「流」(講談社)▽柚木麻子「ナイルパーチの女子会」(文芸春秋)

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