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松尾スズキ「小説家だ小説家だ、俺は小説家だ」 苦闘の末の平凡小説
松尾スズキさんの新聞小説「私はテレビに出たかった」が単行本として出版されました。芸能界を目指す中年サラリーマンの冒険活劇という異色の設定に、濃い登場人物。松尾さんが描きかたかったものとは?
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松尾スズキさんの新聞小説「私はテレビに出たかった」が単行本として出版されました。芸能界を目指す中年サラリーマンの冒険活劇という異色の設定に、濃い登場人物。松尾さんが描きかたかったものとは?
松尾スズキさんの新聞小説「私はテレビに出たかった」が単行本として出版されました。芸能界を目指す中年サラリーマンの冒険活劇という異色の設定に、濃い登場人物。松尾さんが描きかたかったものとは?
主人公は仕事一筋のまじめな43歳のサラリーマンです。突然、「テレビに出たい」という欲望が芽生えたことから、一人娘との冒険が始まります。わがまま上司、謎めく子役、元同級生、個性的な俳優たち、名物教師……。「濃い」人たちに囲まれた2人の冒険は、絡まりながら疾走を続けます。
新聞の連載小説は初めてだったという松尾さん。毎日ある締め切りのため、ホテルの部屋に閉じこもり執筆に励みました。部屋の中では「小説家だ小説家だ、俺は小説家だ」と、自己暗示をかけてからパソコンを開いていたそうです。
松尾さんが小説を書くにあたって目指したのは「エンターテイメントの王道」でした。単行本化にあたって「新聞小説を書く、という話になった時に、よし、今回は白黒はっきりしたものを書いてやろう、エンターテイメントの王道を書いて見せようと、そう思った瞬間思い出したのが、テレビにひたすら出たい中年男だったわけです」と振り返っています。役者・脚本家・小説家とマルチに活躍する松尾さん。「私が考えるサラリーマンは、平凡であることに前向きな人たち。でも、平凡でいることは本当は難しい」。平凡という難敵に挑んだ苦労を、そう語っていました。
小説の連載中には、NHKの連続テレビ小説「あまちゃん」にも出演。原宿の喫茶店のマスターを演じました。「あまちゃん」の脚本を担当した宮藤官九郎さんは、松尾さんが主宰する劇団「大人計画」に所属しています。他にも、北三陸駅副駅長役の荒川良々さん、北三陸高校教師役の皆川猿時さんも「大人計画」のメンバーです。
新聞の連載が終わったのは2013年12月。2014年5月には結婚もしました。発表は自身のツイッター。「普通自動車免許を持った一般の女性と入籍しました。そこそこ歳(とし)が離れているので、生命保険を組み立て直すところから始めて行こうと思っています」と、松尾さんらしいユニークな結婚報告でした。
今日午後12時過ぎ、普通自動車免許を持った一般の女性と入籍しました。そこそこと歳が離れているので、生命保険を組み立て直すところから始めて行こうと思っています。よろしくお願いします。
— 松尾スズキ (@matsuosuzuki) 2014, 5月 1