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ゴッドタン「キス我慢」 カルト番組が映画にまで…アドリブ芸の実力
一部で熱狂的な支持を集める、テレビ東京の深夜バラエティー「ゴッドタン」。人気企画「キス我慢選手権」の映画化作品第2弾が10月に全国公開されることが決定した。会見では芸人たちのアドリブが爆発。カルト番組を映画にのし上げた実力を見せつけた。
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一部で熱狂的な支持を集める、テレビ東京の深夜バラエティー「ゴッドタン」。人気企画「キス我慢選手権」の映画化作品第2弾が10月に全国公開されることが決定した。会見では芸人たちのアドリブが爆発。カルト番組を映画にのし上げた実力を見せつけた。
一部で熱狂的な支持を集める、テレビ東京の深夜バラエティー「ゴッドタン」。人気企画「キス我慢選手権」の映画化作品第2弾が10月に全国公開されることが決定した。会見では芸人たちのアドリブが爆発。カルト番組を映画にのし上げた実力を見せつけた。
この日は、別の名目で集められた番組ファンを前に、レギュラー陣が映画製作をサプライズ発表する……はずだったが、のっけから様子がおかしい。
映画の題名がデカデカと書かれた看板が天井からぶら下がっているのが、ファンから丸見えなのだ。客にバレまいとスタッフが長い棒で看板を隠そうとするも、かえって注目を集めてしまう始末。
前室で「サプライズですから、メディアの皆さんもご注意ください」と言われたので、配布資料が客席から見えないように気をつけていたのに、これじゃ全然意味ないじゃん! とはいえ、そんな雑な感じもゴッドタンらしいと言えば、らしいのだが。
予定から5分遅れて、司会の松丸友紀アナが登場。主演の劇団ひとりをはじめ、おぎやはぎ、バナナマンらを呼び込んだ。
劇団ひとり「ここのスタッフってこんなにヌルかったっけ?(チラッ)」
バナナマン・設楽統「皆さん、何も知らずに来たんでしょ?(チラッ)」
現れるなり、看板をチラ見しながら「雑サプライズ」をいじり、見事に笑いをとってみせる出演者たち。もしかして、全部計算のうえだったりして。
そもそも「キス我慢」って何なのよ、という読者のために、ここで簡単に解説しておこう。
「キス我慢選手権」は、芸人たちがセクシー女優からの誘惑に耐え抜き、1時間キスを我慢し続けられたらクリアという「ゴッドタン」の名物コーナーである。劇団ひとりがアドリブで繰り出すクサ過ぎる名ゼリフの数々が評判となり、昨年6月に映画化。スマッシュヒットとなった。
今回の「サイキック・ラブ」では、劇団ひとりが超能力を持つスーパー高校生になりきり、24時間キスを我慢する。前作同様、劇団ひとりのセリフは全編アドリブ。撮り直しがきかないために、カメラ十数台が劇団ひとりを追いかける、異例の撮影体制が敷かれた。
予告編が流れ、沸くスタジオ。そのまま出演者のトークへと移った。
劇団ひとりは「まさかこんなに早いスパンでできるとは思わなかった。爆薬も前作の3~4倍に増え、スケールアップしてます。アドリブだから、こっちはいつ爆発するかわからない。1メートルぐらいのところで爆発が起きて、その後2時間ぐらい鼓膜がヴーってなってました」と撮影秘話を明かした。
伊藤英明をはじめ、入江雅人、中尾明慶ら豪華キャストががっちりと脇を固める。「伊藤さんが出てきた時が一番ビックリした。元々番組のファンでオファーを受けてくれたそうで、うれしかったです。役者としては何のメリットもないですからね(笑)」
おぎやはぎとバナナマンは番組同様、別室で物語の進行を見守り、要所要所でツッコミや茶々を入れる「神様」の役。おぎやはぎ・矢作兼は「本来お気楽な立場ですが、今回は内容が複雑で、お気楽に見ていられなかった。信じられないぐらい言葉のキャッチボールが早くて、本当にアドリブなの?という感じ」と語った。
アドリブに適切に対応するため、共演者は「仮想・劇団ひとり」役の俳優と入念にリハーサル。「きっとこう言うに違いない」という、複数のパターンを事前に頭に叩きこんで本番に臨んだ。しかし、そのどれにも当てはまらない劇団ひとりの暴走芝居によって、ストーリーがあらぬ方向へ転がっていくこともしばしばだったという。
番組プロデューサーでもある佐久間宣行監督は「前回以上にアドリブがスゴイ。前作は劇団ひとりが俳優の演技にどう切り返すかが見どころだったが、今回は劇団ひとりのアドリブが物語を動かしている」と力説。設楽も「予定調和がない。想定していたものから大きく変わっていく」と話した。
主題歌「五線譜を飛行機にして」を歌うのは、おぎやはぎ・小木博明の義理の弟である森山直太朗。小木は「最初はこれダメだなと思った。家でジブリか何かの映画を見ている時に流してもらったんだけど、合わなくて。でも今日予告編を見たら(映画と曲が)合ってたからビックリした」とすっとぼけたコメントを連発。
「『さくら』ですら絶対売れないって言ってたからね。いつも人がいいって言い出してから評価するんですよ」(矢作)、「(曲を聴く時に)映画を止めろよ!」(劇団ひとり)と集中砲火を浴びていた。
お色気シーンも「キス我慢」に欠かせない魅力のひとつだ。今回は上原亜衣、小島みなみ、白石茉莉奈の3人が、あの手この手の妖艶な演技で劇団ひとりへと迫る。
あまりにも真に迫ったギリギリの演技に、神様役のバナナマン・日村勇紀が「これはやり過ぎ!」と本気で怒り出す一幕もあったとか。「Aはキスだけですけど、Bってほとんど全部だから」と謎の弁解をしていた日村。どうやら、単に劇団ひとりがうらやましかっただけのようだ。
劇団ひとりが「実は今日は映倫の審査結果が出る日。12歳(PG12)になるか、18歳(R18+)になるか。12歳はあり得ないな」と言えば、小木が「これは18歳(R18+)だよね」、日村が「42歳の俺がダメだって言ってるんだから!」と口々に過激さをアピール。あわてた佐久間監督が「それは編集次第ですから」と引き取った。
会見終盤では、エスパー役の劇団ひとりが「超能力」を披露。手に力を込める劇団ひとりのもとに小島の体がじわじわと引き寄せられ……スカートがバッとめくれ上がった。小川ローザ状態である。「結構マジなパンツですね」とご満悦の劇団ひとり。こうして、ドタバタの記者会見は幕を閉じたのだった。
「キス選手権 THE MOVIE2」は10月17日より、TOHOシネマズ六本木ヒルズなど全国で上映(東宝映像事業部配給)。8月8日から、劇場窓口で特典DVD付きの前売り券(1500円)が、ローソンLoppiでも特典CDの引換券付きの前売り券(2100円)が発売される。