「社員は宝と言うけど…」〝人財ブーム〟に三木那由他さんが抱く不安

「強い人」が言葉の意味を歪める暴力性

神戸 郁人

人材を「人財」と言い換えることについて、三木那由他さんは「社員は財産、宝物である。そうアピールしたい、企業側の意図を感じます」と指摘します

経済誌などに、たびたび登場する言葉「人財」。「会社の役に立つ働き手」というニュアンスを強める形で、「人材」を書き換えた造語です。企業が求人サイト上の文言に盛り込むなど、ブームの様相を呈しています。しかし言語哲学者の三木那由他さんは「『人財』を定義する際に、職場で強い権力を持つ人の意向が優先されるかもしれない」と懸念します。「意識高め」な語句がコミュニケーションに及ぼす影響について、考えました。(ライター・神戸郁人)

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