新品の筆、どこまでおろす? 職人の答えは… 「所詮は道具」の真意

「筆の選び方は強制されるものではなく、書き手の自由であるべき」

金澤 ひかり
朝日新聞記者

あかしやが管理する筆の穂先の種類は1千種類以上。見た目の違いをわかりやすくするための工夫があります=あかしや提供

300年にわたり伝統のある奈良の筆メーカーが、筆の正しい保管方法をツイートし、大きな反響を集めました。そもそも筆を使い始めるときには、どこまで筆をほぐしたらいいのか――。高校時代に書道部だった記者が取材すると、筆づくりに20年超にわたり携わる職人は「筆は所詮、ものを書く道具」と話します。その真意とは……?記者が考えました。

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