〝意識高い系〟職業名、戦時中にも 辻田真佐憲さんが思う「セコさ」

劣悪な実態粉飾、現代に通じる言葉遊び

神戸 郁人

華美な言葉を駆使して、過酷な労働を人々に受け入れさせようとする――。そんな振る舞いが、戦時中の軍需工場などにも広がっていたといいます。(画像はイメージです)

職業や職種を呼ぶ上で、いかにもきらびやかな表現が用いられる場合があります。評論家・近現代史研究者の辻田真佐憲さんによると、同じようなことは、早くも戦時中に行われていたそうです。言葉によって、仕事のイメージアップを図ろうとする。そんな精神性は、労働者を効率的に働かせるため、現代の経営者層が用いる「人財(人材)」といった造語にも引き継がれているように思われます。一連の語彙(ごい)を「啓発ことば」と呼ぶ筆者が、人を動かす言葉の「魔力」について、辻田さんと一緒に考えました。(withnews編集部・神戸郁人)

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