「自由研究」何のために始まった? 「幻の教科」4年で消えた理由

「魅力的だけどくせ者」足場を作って工夫

松本千聖

夏休み最後の日曜日の1986年8月31日、東京・日本橋のデパートの屋上で開かれた「宿題教室」で、宿題に取り組む親子

夏休みの宿題の定番「自由研究」ですが、何を研究すればいいのか悩んだ人もいるかと思います。自由という名前がついていながら、最近では、ネットで「お手本」の情報が出回るなど、その立ち位置がいまいちわからかない存在でもあります。その歴史は古く1947年にさかのぼり、最初は「教科」の一つでしたが、たった4年で姿を消します。その後、復活した「自由研究」ですが、どんな役割が期待されているのか。学校教育の歴史に詳しい、一橋大大学院の木村元・特任教授に尋ねると、「自由研究」の理想と課題が見えてきました。

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