オタクに偏見ないZ世代、「推し」はコミュニケーションツールへ

金澤 ひかり
朝日新聞記者

選抜総選挙前のコンサートは雨が降り続くなか、約7万人のファンが盛り上がった=2014年6月7日午後、東京都調布市、福留庸友撮影

かつてはオタク界隈で使われることが多かった「推し」という言葉。生涯をかけてお金と時間を費やすイメージが強いですが、Z世代(1996~2012年生まれ)では「推ししか勝たん」など、普段使いの言葉になっています。かつては「変わった人」と思われがちだった〝何かに熱中すること〟が、なぜ、ポジティブに受け止められているようになったのか。そこには、「自分」を表明することで保つアイデンティティーと、そこでつなぎとめようとする「共同性」がありました。

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