熊本の豪雨、認知症の父は最後まで動かなかった…川沿い集落のリアル

地元鉄道を悩ませる「無駄な業務」

東野真和

くま川鉄道の橋脚が折れ鉄橋が付近に散乱していた

熊本県南部を襲った7月の豪雨では、県内の直接の犠牲者が熊本地震を上回る死者65人、行方不明者2人にのぼった。全半壊・床上浸水は6505戸(いずれも10月2日、熊本県調べ)。筆者は10月、球磨川沿いを下流まで50キロ近く車で走ったが、いけどもいけども被災集落が続いていた。被災前、すでに新型コロナウイルスの影響で経済的打撃を受けた人たちにとっては、さらに深刻だ。漬けもの店、ラフティング業者、釣り師、「鉄印帳」の発案者がいる鉄道会社……。水害から球磨川流域で暮らす人々を訪ねると、直面している問題に、先が見通せずにいた。(編集委員・東野真和)

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