コロナに重なる「エイズ患者」騒動 磯野真穂さんと考える差別の連鎖

水野 梓

人類学者・磯野真穂さん。差別は「〝仕方ない〟の連鎖で起こるのではないでしょうか」と指摘します

どんなに気をつけていても「絶対にコロナに感染しないゼロリスクの生活」を送ることは難しい――。それでも現状では、患者や医療従事者が差別されたり、治っても「陰性を証明しろ」と迫られたりといった問題が起きています。私たちは病や健康をめぐる「リスク」とどのように向き合っていけばいいのでしょうか? 人類学者の磯野真穂さんはHIV感染症をめぐっても、1980年代に今と同じような「差別」があったと指摘し、「『しょうがない』の連鎖で差別が起きていく」と話します。

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