サル300頭と引き継いだ「人間の業」、観光客にも隠さず伝える事実

運営企業トップが、あえて口にした一言の意味

神戸 郁人

伊豆半島南部の波勝崎では、海辺で暮らす、300頭ほどのニホンザルたちを観察できます。間近でえさをあげられるとして、全国的な知名度を誇ってきました。人間との「共存の拠点」は、いかにして生まれたのでしょうか?

伊豆半島南部の名所・波勝崎(はがちざき)。真っ青な大海原と、切り立った岩場とが織りなす絶景が印象的な土地です。実はここに、300頭ほどのニホンザルが暮らしていることをご存じでしょうか? 60年以上にわたり、人間が野生の群れを餌付けし、共存する歴史が紡がれてきたのです。その拠点である施設が、経営難による事業の譲渡を経て、今春リニューアルオープンしました。「ある種の『業』を引き継いだと思っている」。運営企業のトップが、あえて口にする重い言葉。背景には、現地に足を運んだ人々に、生き物との関係性を見つめ直して欲しいという思いがありました。(withnews編集部・神戸郁人)

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