元農水次官に実刑、ひきこもりだった孤独死ライターが思う分かれ目

菅野久美子
ノンフィクション作家

実刑判決が下った元農水事務次官の熊沢英昭被告。ひきこもりを「人生の終わり」にしないためにできることとは?=2019年6月3日、警視庁練馬署

私は、孤独死の取材を2015年ごろからはじめているが、孤独死する人の多くはひきこもり状態だ。そんな中、ひきこもり状態だった長男を殺害した元農水事務次官の父親に、東京地裁で開かれた裁判員裁判で実刑判決が下された。私は、率直に「自分が家族を殺していたかもしれないし、殺されていたかもしれない」と感じた。なぜなら、私も中学からひきこもりだったから。殺された長男と私を分けたものは何か? ひきこもりを「人生の終わり」にしないためにできることを伝えたい。(ノンフィクションライター・菅野久美子)

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