結婚って当たり前? 「結婚相手は抽選で」が描く、いびつな日本社会

湊彬子

主人公の宮坂龍彦(野村周平)。ドラマ「結婚相手は抽選で」から

 「ひとごとに思えない。泣きそう」「共感してくれる優しさみたいなのがある」「ほんとに結婚って何だろうね」――。

 そんな感想がSNSに上がっている連続ドラマがあります。放送中の「結婚相手は抽選で」(フジテレビ系、土曜午後11時40分)です。
 
 少子化対策のために、未婚者は政府から強制でお見合いをさせられる法律ができ、3度相手を断るとテロ対策活動の後方支援に従事しなくてはならないという内容です。
 
 なんとも気味が悪い法律ですが、結婚を半強制とする設定により、現実社会でも若者たちがひそかに抱えているであろう家族内の問題や、自分に自信が持てないといったつらさを、浮かび上がらせる仕掛けになっているのです。

 制作は東海テレビ。同局の河角直樹プロデューサー(44)に、この作品に込めた思いを聞きました。

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