「生きよう」から「生きたい」へ

高校生の頃の僕は、ゲイであることを受け入れられず、死にたいと頻繁に思っていました。何人かにカミングアウトをしてもその感情がしばらく落ち着くことはなく、ウジウジした状態は20歳を超えても続きます。

Plus-handicap

 ある日、ガードレールのない細い路地を歩いていて、後ろから何台か車が通り過ぎるのを感じながら、目の前の電柱を見たとき、「今ここで車が背中に突っ込んで来たら、この電柱に挟まれて死ぬのかな」と想像し、心の中で呟きました。「死にたくないな」と。

 高校生の頃の僕は、ゲイであることを受け入れられず、死にたいと頻繁に思っていました。何人かにカミングアウトをしてもその感情がしばらく落ち着くことはなく、ウジウジした状態は20歳を超えても続きます。

 高校時代から長電話を頻繁にしていた友だちには、何かある度に、死にたいだの何だのとグチグチ話していたのですが、ある時ついに「いいかげんにしろ」と怒られ、その瞬間は突き放されたような気にさえなりました。「このままではマズい」「こいつに嫌われたらそれこそ生きていけない」と強く感じ、この日を境に僕は「生きよう」と思うようになります。

 では「生きよう」と思えば、同時に「死にたくなくなる」のでしょうか。

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