「幸運にも残った“まとも”な先進国」カナダが挑む壮大な社会的実験

「カナダはほかの国の誤りでできた」

仲村和代
朝日新聞社会部記者

バンクーバーであった中華圏の旧正月のパレードに参加したトルドー首相

 エコノミスト誌の昨秋の特集で、「幸運にも残った〝まとも〟な先進国」(日本語訳は日経ビジネス)と評されたカナダ。グローバル化への反発が世界各地で巻き起こり、米国や欧州では難民や移民に対して門戸を閉ざそうという動きが強まるなかで、トルドー首相自ら「難民歓迎」の姿勢をツイートする寛容さが注目を集めています。根底にあるのは、「寛容さが国の活力を生み出す」というカナダの価値観です。

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