「踊れない国」を変えちまった総力戦 署名で世論を可視化、DJが陳情

クラブユーザーや経営者、アーティストらの総力戦で実現した風営法の改正運動。「踊れない国」を「踊れる国」へとつくり変えた、巧みな戦略とは。

神庭 亮介

東京・渋谷のクラブを会場に開かれた改正風営法がテーマの「未来メディアカフェ」=6月21日、天田充佳撮影

 午前5時前、ダンスフロアの熱気は最高潮を迎えた。重低音の渦のなか、一心不乱に体を揺らす女性。拳を突き上げ、歓声を上げる男性。どの顔にも笑みが浮かぶ――。先月23日、改正風俗営業法が施行され、深夜のダンス営業が条件付きで「解禁」された。一見、社会運動と縁遠そうなダンス業界がなぜ、短期間で法律を変えられたのか。そこには、声高に反対を叫ぶだけではない、巧みな戦略があった。

続きを読む