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難易度星8つの生き物とは… リアルな海のペーパークラフトが人気
カツオにサワラ、クロマグロ、ズワイガニ――。中には、たこつぼから飛び出すタコや、筒に入って揺れるウナギまで、海の生き物たちのペーパークラフトが人気を集めています。制作の経緯や作り方のコツなど、制作者に教えてもらいました。(朝日新聞デジタル企画報道部・小川詩織)
とてもリアルなマンタやカサゴ、キンメダイなど74種類の海にすむ生き物を作ることができるペーパークラフトは、「水産研究・教育機構」がホームページで無料で公開しています。水産業の活性化をめざしている国立研究開発法人です。
誰でも自由に、A4サイズの紙に印刷して作ることができます。
6月下旬、ペーパークラフトを紹介するツイートが投稿されると、「結構リアルで好き」「全部並べたら壮観だろうな」などと話題になりました。
これらを制作したのは、水産研究・教育機構の職員の清水弘文さん(63)です。
水産研究・教育機構は全国に研究所があり、一般向けに研究所を公開するイベントを開催しています。清水さんは「石垣の研究所にいた頃、お土産用に赤い魚の『スジアラ』や、ソデイカ、ニシキエビのペーパークラフトを作って配っていました」といいます。
それをきっかけに、2012年ごろからホームぺージで公開を始め、広報課と協力して徐々に新作を出すようになったということです。
筒に入ったウナギがゆらゆら揺れる「首ふりウナギ」は、赤べこからヒントを得たそうです。
清水さんは、「最近公開している飛び出すペーパークラフトをぜひ作ってみてほしい」とおすすめします。たこつぼから飛び出すタコや、貝殻から飛び出るヤドカリがあります。
公開されているペーパークラフトは難易度を星の数で表しています。例えば、アオウミガメなら星1つ、イワナやトラフグは星3つ。最も難しいのはズワイガニで、星8つです。
清水さんによると、これは小学生が大人と一緒に作ることを想定しているとのこと。だいたい星1つは1時間、3つは2〜3時間、8つは1日くらいかかるといいます。
作り方のコツも教えてもらいました。
印刷する用紙は一般的なコピー用紙がおすすめ。厚紙だと折りにくかったり、曲げにくかったりして作りにくいかもしれないということです。
一方で飛び出すペーパークラフトは、ケント紙など少し厚みのある紙を使ったほうがいいようです。
コツとしては、一度に全部をのり付けせず、一つ一つのり付けしながら貼り付けるとうまくできます。細かい部分は、つまようじを使うとうまく組み立てることができます。
ずれてしまった場合には、最後にはさみで切りそろえるときれいに仕上がります。
このペーパークラフトは、コロナ禍の外出自粛中に子どもが家で作ったり、旅行会社がディスプレーにズワイガニを飾ってくれたり、高齢者がリハビリ用に使っていたり……様々な用途で活用されているようです。
清水さんは「SNSで、みなさんがどうやって遊んでいるかを教えてもらっています。反応をもらえることがうれしいです」と話しています。
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