ネットの話題
オレンジジュース、正体は「木と絵」 SNSで出会った作家がコラボ
「異次元のクオリティ」と話題です
オレンジを搾ってジュースを作るーー。SNSに投稿された動画と画像が注目を集めています。しかし、ただのオレンジジュースではありません。2人の作家によって木と紙、色鉛筆で作られた作品です。SNSで出会った2人が、その才能をコラボさせました。
「木彫り作家と色鉛筆アーティストが全力を出してみた」
6月上旬、そんなコメントと共に、「オレンジを搾ってジュースを作る」ような動画がツイッターに投稿されました。
本物のように見えますが、画角が変わると〝オレンジ〟は木目が見え、立体だった〝コップとジュース〟は平面に。正体は、木と絵からなる〝オレンジジュース〟でした。
投稿したのは、木彫り作家のキボリノコンノさん(@kibori_no_konno:以下コンノさん)。動画は220万回以上表示され、4万を超える「いいね」がついています。
一方、もうひとりの作者である色鉛筆アーティストの慧人さん(@Yassun0222K)も同じタイミングで「キボリノコンノさんと合作しました!!上が木彫りで下が色鉛筆画です…すごくない…?」と画像を投稿しました。
慧人さんのツイートにも「どちらも異次元のクオリティ」「想像したところじゃないところからが絵画」「世界に通用するアート作品の誕生である」といった驚きのコメントが寄せられ、8万を超える「いいね」がつきました。
木彫り作品を作るコンノさんと、色鉛筆で立体に見える作品を描く慧人さん。2人ともSNSに自身の作品を投稿し、たびたび話題になっていました。
交流が始まったのは2023年1月。お互い以前から作品は知っていましたが、ツイッターをフォローしあって「いつかコラボしたい」と夢を話していました。
その後、慧人さんがコンノさんの作品展を訪れ、意気投合。コンノさんは「慧人さんは作品がすばらしいだけでなくすごく話しやすくて、この人と何かやったらおもしろそうだなと思いました」と振り返ります。
合作が実現したきっかけは、東京で開かれている作品展「HYPER REALISM(ハイパー リアリズム)」です。ギャラリーから個展の依頼を受けたコンノさんが、慧人さんと小学4年生のクリエイター・いつきさんに声をかけて企画されました。
作品展に合わせ、慧人さんとのコラボ作品も提案したコンノさん。慧人さんも「ぜひやりましょう」と二つ返事で引き受けました。
コンノさんは「一緒に作るイメージはなんとなくできていました。立体と平面のおもしろさをどう表現できるか考えて、上から下にたれる液体感と動きを出した作品にしたいと思いました」と話します。
そこで浮かんだのが、オレンジジュースです。
先に慧人さんが約30時間かけてコップとジュースを描き、その後コンノさんが3日間かけてオレンジの部分を作ったといいます。
コンノさんは静岡県在住で、慧人さんは大阪府在住。距離はありますが、作品を作るにあたっては電話やメッセージでやりとりをしてイメージを共有していきました。
今回の3人展は、慧人さんにとっては初めての作品展です。「これまでSNS以外では家族にしか作品を見せたことはありませんでしたが、直接来て、見て下さった方にお話を聞けて楽しいですね。こんなに貴重な体験はありません」と手応えを感じています。
誰かと一緒に作品を作ることも初めてで、「私の作品だけでは表現しきれないものが、コンノさんとのコラボでできました。今後も新しいことをしていきたいです」と話します。
コンノさんも「平面と立体で作る作品の可能性を感じました。またコラボをして新しい作品を作りたいです」と好感触です。
SNSでは「世界で初めて見る」といった反応もあり、コンノさん自身も同じことを思っていたそう。慧人さんと一緒に、「世界を目指していきたいですね」と笑いました。
現状に満足せず、常に新しい表現を追求する2人。次のコラボもそう遠くはないかもしれませんし、世界を目指して刺激し合っていくことは間違いありません。
木彫り作家と色鉛筆アーティストが全力を出してみた。 pic.twitter.com/IflaQXCNRI
— キボリノコンノ (@kibori_no_konno) June 9, 2023
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