連載
#27 猫と警備員、ほっこり攻防の日々
猫と警備員、10分間の攻防戦 花見客も一段落したから9カ月ぶりに
撮影した美術館職員に聞きました
美術館に入ろうとする猫と、防ごうとする警備員のやりとりで話題になる尾道市立美術館(広島県)。花見客も一段落した4月下旬、約9カ月ぶりとなる「攻防戦」を披露してくれました。
(続き)『入られんよぉ👮♂️🐈⬛Don't enter that room.』#尾道 #尾道市立美術館 #猫 #cat pic.twitter.com/qCsrpCzrSg
— 尾道市立美術館 (@bijutsu1) April 21, 2023
近くのレストランで飼われているケンちゃんが、最初に注目を集めたのは2017年3月。
開催中だった「猫まみれ展」の会場に入ろうとして、警備員・馬屋原定雄さんに阻止される様子がツイッターで紹介されたのがきっかけでした。
その後も「猫と警備員の攻防」としてたびたび話題になっていますが、侵入を試みるのは警備員が馬屋原さんの時がほとんど。
馬屋原さんが来るのは特別展の時だけなので、そのたびに美術館職員は攻防戦を期待してカメラを構えています。
にらみ合いー突撃ー防御ー再突破ー捕獲ーお見送り。本日も近所の黒猫と警備の方の攻防がありました。特別展「招き猫亭コレクションー猫まみれ」なので入館を許可したいところですが、作品保全のため、丁重にお帰りいただきました。展覧会HPはコチラ:https://t.co/LJMNYF9Vog pic.twitter.com/11m7mWVr3I
— 尾道市立美術館 (@bijutsu1) March 22, 2017
美術館では3月11日から5月7日まで、春の特別展「町立湯河原美術館コレクション 平松礼二展」を開催中です。
会期が始まってまもなく、ケンちゃんが事務所の裏口にやって来て、冬の特別展以来約4カ月ぶりに再会。
その後もちょくちょく顔は見せていましたが、攻防戦には発展しませんでした。
今月21日の午後3時ごろ、ケンちゃんが久しぶりに正面玄関の自動ドア付近までやってきました。
そのままドアに向かうのではなく、手前横に設置されている巨大な猫のオブフェの方へ。
馬屋原さんが近づいていくと、隠れるようにオブジェの裏に行ってしまいました。
しばらくしたら出てきて、今度は玄関前でゴロンと寝転がり、馬屋原さんに体をなでられて気持ち良さそうな表情に。
すると突然起き上がって、尻尾をピンと立てながら堂々と自動ドアの突破を試みたのです。
馬屋原さんがすぐに「入られんよぉ」と、両手でバリケードを作って阻止。
あっさり諦めたケンちゃんは、再びその場に寝転がるのでした。
(写真)#尾道 #尾道市立美術館 #猫 #cat pic.twitter.com/n7H3uGPh8B
— 尾道市立美術館 (@bijutsu1) April 21, 2023
「客足も途絶え、ふたりの攻防を見守る観衆者もいなかったので、約10分間に渡る交流となりました」
そう話すのは、攻防の様子を撮影した美術館職員です。
万が一の侵入に備えて、玄関付近にいるスタッフに「ケンちゃんが玄関にやってきたら電話を鳴らして」とお願いしている職員。
馬屋原さんとも「ケンちゃん、最近来んね」と話していただけに、約9カ月ぶりの攻防戦を楽しく見守っていたそうです。
「オブジェでかくれんぼしたり、侵入を試みてブロックされたり、そこでふれあいタイムが始まったり。いろんなことが凝縮された10分間でした」
久しぶりの攻防が見られた理由については、こう推測します。
「すぐ近くの千光寺公園は桜の名所です。花見のお客さんも落ち着いたので、そろそろ頃合いかなと見計らってやって来たんでしょうね」
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