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乳幼児が指を切断 折りたたみ式踏み台の〝指挟み〟に注意を呼びかけ
かさばらずに収納できる「折りたたみ式踏み台」。必要な時だけ使える便利グッズですが、思わぬ死角もあります。過去には、つかまり立ちしていた乳幼児の指が隙間に挟まれ、切断されたという事故も発生しています。国民生活センターが注意を呼びかけています。
折りたたみ式踏み台は、主に樹脂で作られているため軽いのが特徴です。
踏み台部分の天板や、脚部分がたたまれることで、コンパクトに収納できます。
国民生活センターや消費者庁によると、指の切断事故は2021年9月に発生しました。
0歳児が折りたたみ式踏み台を使ってつかまり立ちしていたところ、突然大声で泣き始めたそう。確認すると、右手中指の先端を失っていたとのことです。
ほかにも、1歳の男児が踏み台を触っていた際、別の子どもが引っ張っると、不意に折りたたまれて、隙間に指が挟まれ切断された――といったケースが21年12月に発生しています。
国民生活センターでは、22年6月~8月、折りたたみ式踏み台でどのような事故が起こりうるか、詳しく調べています。
センターでは、市販の10種類の折りたたみ式踏み台を対象に調査しました。
事故は、踏み台に指などが挟まれることで、起こりえます。
そこで、まずは乳幼児の力で折りたたむことができるのか調べました。
結果は「乳幼児の力でも容易に天板を持ち上げることができる」。天板を持ち上げることができれば、脚部分も折りたたまれるため、この過程で指などが挟まれるおそれがあります。
調査ではさらに、指を少し挟んでしまった状態で、天板に力を加えたらどうなるか――についても検証しています。
これは「つかまり立ち」などを想定したものです。踏み台につかまり立ちした乳幼児が、何かの拍子で指を挟んでしまい、その状態で誤って天板を押さえてしまう。そんな事態を考えました。
結果は、「乳幼児の力や体重が天板にかかった程度でも、大人の指に裂傷を負うものと考えられる」。検証では大人の指のダミーを使用していますが、結果からは、乳幼児の指であれば、なおさら大きなけがを負うリスクがあることが分かりました。
ほかに、折りたたんだり、踏み台の状態に展開したりする過程で指を挟んでしまった場合も想定して検証しています。いずれも、けがを負う可能性があることが確認されています。
国民生活センターの検証では、乳幼児だけでも誤って指を挟んだ上で、けがをしてしまうおそれがあることが分かっています。センターでは、「乳幼児が折りたたみ式踏み台に触れることがないよう、管理・保管しましょう」と呼びかけています。同時に、事業者側にも、商品を売る際に注意を呼びかけるよう促しています。
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