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「コレが噂のバリカタ?」 凍らせたカップ麺で国交省が伝えたいこと

「あなたは気付きましたか…? このラーメンの違和感に…」――。そんな書き出しで始まるツイートが反響を呼びました。。撮影は「国土交通省 飯田国道事務所」
「あなたは気付きましたか…? このラーメンの違和感に…」――。そんな書き出しで始まるツイートが反響を呼びました。。撮影は「国土交通省 飯田国道事務所」 出典: 「 国土交通省 中部地方整備局」のツイッター

目次

「あなたは気付きましたか…? このラーメンの違和感に…」――。そんな書き出しで始まるツイートが反響を呼びました。まるで食品サンプルのようですが、本物のカップラーメンです。寒さのあまり凍ってしまいました。投稿の経緯を取材すると、とある道路事情が浮かび上がりました。

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食品サンプルかと

投稿は今月5日。ツイートしたのは、「国土交通省 中部地方整備局」のアカウント @mlit_chubu_koho です。

中部地方整備局は、名古屋市に本局をかまえ、愛知県、岐阜県、静岡県、三重県と、長野県の一部をカバーしています。計37の事務所と出張所があり、河川や道路、港湾の整備、管理、災害対応など幅広い業務にあたっています。

ツイートは「中部地方整備局管内の長野県木曽地域では、ラーメンがそのまま凍るほど気温が下がることがあります」と続きます。投稿は、道路管理者として、冬場の安全な走行を呼びかけるものでした。

7日夕方時点で、「いいね」は8千件を超えています。「食品サンプルかと思いました」「コレが噂のバリカタ?」といった凍ったカップラーメンに対する反応のほか、「注意して旅行します」「滑り止め装備なしに雪道に行くのはやめよう。ワンチャンなんかないからね?」といったコメントもありました。

氷点下の屋外で一晩

取材をすると、今回の写真は、中部地方整備局管内の「飯田国道事務所」 @mlit_iida エリア内で撮影されたものと分かりました。

長野県飯田市にある飯田国道事務所は、愛知や岐阜、長野各県を通る国道19号などを管理しています。写真は、飯田国道事務所の出先機関のひとつ「木曽維持出張所」(長野県木曽町)で撮影されました。

飯田国道事務所の担当者がこう説明します。

「写真を撮影したのは今年1月。カップラーメンを作った後、一晩、氷点下の屋外に置いていたようです」。発案したのは、「若手の男性職員」。備品を使って、手で割り箸を持ったように見える状態をキープしたまま屋外に置き、冷やしたそうです。

「写真を撮影したのは今年1月。カップラーメンを作った後、一晩、氷点下の屋外に置いていたようです」。撮影は「国土交通省 飯田国道事務所」
「写真を撮影したのは今年1月。カップラーメンを作った後、一晩、氷点下の屋外に置いていたようです」。撮影は「国土交通省 飯田国道事務所」 出典:「 国土交通省 中部地方整備局」のツイッター

頻繁に路面が凍結

なぜ、国交省の出先機関で、凍ったカップラーメンを作ったのでしょうか? そこには、ちゃんと理由がありました。

「路面凍結の危険がある地域だということを視覚的にお伝えするため、スタッフが知恵を絞りました」(担当者)

飯田国道事務所によると、撮影した「木曽維持出張所」の付近では、冬場は最高気温が氷点下ということも珍しくなく、路面の凍結が頻繁に起こっているそうです。

スタッドレスタイヤを装着していないトラックが立ち往生し、路線が限られている道路が渋滞することもしばしば。もちろん、事故が発生すれば、多くのドライバーに危険が及びます。

こうした事情が背景にあることから、まずは「寒さ」を知ってもらうことが必要なのです。

注意喚起に透明な「人の手」

飯田国道事務所では、この「寒さ」を伝えるために腐心しています。

これまでにも、たくさんの透明な「人の手」が地面から突き出ているような写真を投稿。実際はゴム手袋に水を入れて凍らせたものを並べていますが、大きな反響がありました。ほかにも、凍らせたジーンズの写真も投稿して、安全運転を呼びかけています。

同事務所では、「いよいよ冬本番です。スタッドレスタイヤを装着したり、チェーンを携行したり、安全のためのしっかりとした準備をお願いします。そして、走行には十分ご注意ください」と呼びかけています。

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