ネットの話題
故人の面影を感じる線香 一筆書きで人の形を作ったような新デザイン
誕生の経緯を取材しました
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誕生の経緯を取材しました
ろうそくや線香の製造販売を手がけるカメヤマが、お盆を前に新商品を発売しました。故人の趣味をモチーフにした「あの日のおもかげ線香」です。誕生の経緯を取材しました。
8月1日から全国の仏具店やカメヤマ公式ECサイトで販売されている「あの日のおもかげ線香」。
線香といえばまっすぐな形状が主流のなか、「故人のおもかげを感じながら気持ちを込めて手を合わせられる線香を作ろう」と企画された商品です。
一筆書きで人の形を作ったようなデザインで、ラインナップは「登山」「読書」「ゴルフ」「サーフィン」の4種類。
それぞれ5枚入りでマグネット式香立ても付属。価格は税込み各2750円です。
「登山」はヒノキの森のすがすがしい空気を思わせるウッディーな香り、「読書」は本の楽しさを広げるコーヒーの香りなど、形状だけでなく香りにもこだわって、職人が1本ずつ手作業で制作しています。
カメヤマでは2009年から「故人の好物シリーズ」というキャンドル商品を販売しています。
さくら餅やあんみつ、寿司やラーメンなどの本物そっくりに作ったキャンドルで、「ろうそくが減る様子がまるで故人が食べてくれたよう」と好評だそうです。
供養離れが進むなか、形式的ではないこれらの商品が好評なことから、線香についても故人に寄り添える商品を作ることに。
ところが、いざ試作してみると苦労の連続だったといいます。
「最も困難だったのは、人型の線香を最後まできれいに燃焼させることでした」と広報担当者。
線香は乾燥させると収縮するため、そもそも想定通りの形にすることが難しいそうです。
また、線香同士が近すぎると燃え移る心配もあるため、形を大きくしたところ燃焼時間が1時間を超えて家庭での使用に適さなくなったことも。
カーブの角度、線香の太さ、強度などのバランスを最適化するために約1年半かかったそうです。
当初はペット、料理、カラオケ、ピアノ、日曜大工、踊り、スキーといったデザイン案もあったそうです。
それらの中から趣味として一般的なものに絞って4種類に。
その4種類の中で最も作るのが大変だったのが「登山」だといいます。
「杖がまっすぐにならない、乾燥による収縮で左右の足の細さが若干違うなどなど、これも手作りの良さということでお許しください」
発売直後から売れ行き好調で、出荷作業が間に合わないほどだそうです。
「故人が趣味を夢中で楽しんでいる姿を形にした線香です。この線香を使うことでこれまで以上に鮮やかに故人の元気いっぱいな姿や、故人との楽しかった思い出がご家族の心の中に浮かび上がるのではないかと考えています。心が前向きになるような供養のきっかけになれば幸いです」
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