連載
#43 どうぶつ同好会
コバンザメの集団が、きれいに整列!?閉館間近の姿がまるで「干物」
〝サメ〟ですが〝サメ〟ではないのです
サメやエイ、ウミガメなど大きな生き物にくっつき、外敵から身を守りつつ、食べこぼしを狙って生きるコバンザメ。SNSで7匹のコバンザメが並んでいる姿が話題になりました。くっついている先はーー。
話題になったのは、関東地方に住む夢海さん(23)が投稿したツイートです。
添えられた写真に写っているのは、同じ壁できれいに並ぶ7匹のコバンザメ。閉館時間に近い、午後6時半ごろに撮られた1枚です。
ツイートには「こんなことあるんですね!」「仕事終わりのぼくら」「ヒモノかと思いました」「整理整頓された工具みたい」「絵に見える」といったコメントが寄せられ、いいねは26万を超えています。
夢海さんによると、撮影したのは大阪市港区にある水族館「海遊館」のコバンザメです。
撮影した日、じっくり時間をかけて館内を2周したところ、1周目見たときは泳ぎ回っていたコバンザメが、2周目にはそろって壁にくっついていたそうです。
「海底で休んでいる姿などは見たことがありますが、ここまで集まっているところは見たことがありません」と夢海さん。
反響の大きさに、「大変驚いている半面、おもしろくかわいらしい姿を多くの方に知っていただけるきっかけになりうれしく思います」と話します。
「仕事終わりのぼくら」というコメントには、共感して思わず笑ってしまったそうです。
水産業に携わっている夢海さんは、関東を中心に水族館8カ所の「年間パスポート」を持ち、週に1回以上水族館へ行ったり、ほぼ毎日魚介類で料理を作ってブログに載せたり、魚の骨で標本を作ったりするほどの魚好きです。
実は昨年、鹿児島県坊ノ岬でとれた約63センチ、1068グラムほどのコバンザメを魚屋で買い、部屋のドアやまな板などにくっつけてみたそうです。
「以前より小判の強度に興味があり、材質の異なるものにはろうと考えていました。『魚臭くなる』と家族に言われてしまいましたが(笑)」
一通り楽しんだ後は自らさばき、お刺し身や塩焼き、お寿司、しゃぶしゃぶなどにして味わいました。「脂が乗っていて非常においしい魚でした」と振り返ります。
「コバンザメは自分で泳がず、おこぼれをもらってばかりの悪い印象がある方もいらっしゃるかもしれませんが、今日まで生き残ってこられた唯一無二の生態を持つすごい魚ということを多くの方に知ってもらいたいです」
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