トクホとは別に「機能性表示食品」が設けられているのは、消費者庁によれば「機能性をわかりやすく表示した商品の選択肢を増やし、消費者のみなさんがそうした商品の正しい情報を得て選択できる」ようにするためです。
もともとは2013年6月、当時の安倍晋三首相が成長戦略の一つとして打ち出したもので、実際にその市場は数千億円規模に拡大。しかし、一部の商品では届出される“根拠”の論文が一つだけだったり、被験者数が1群10人以下と少なかったりするものもあり、本当に健康に効果があるのかについては議論も続いています。
「機能性表示食品」ならヘルシー? 5年で届け出3千件、3千億円規模に - 朝日新聞デジタル 2020年10月8日
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14650722.html
実際、国が審査するトクホでも、しない機能性表示食品でも、後から消費者庁による取り消しや改善指導などが起きています。
認知機能への期待うたう食品、115業者のネット広告に改善を指導 - 朝日新聞デジタル 2022年4月1日
https://digital.asahi.com/articles/ASQ3062KNQ30UTIL00Y.html
日本サプリメントに課徴金 トクホ不当表示、食品で初 - 朝日新聞デジタル 2017年5月17日
https://www.asahi.com/articles/ASK5K7RXKK5KUBQU017.html
また、医薬品ではないということも重要です。つまり、病気の治療、予防を目的としたものではありません。消費者庁も、病気がある場合、薬を服用している場合は、必ず医師・薬剤師に相談することを勧めています。
加えて、制度自体の定義により、機能性について病気の人、未成年者、妊産婦が対象から除外されていることも、知っておくべきことです。