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トイレ修理の「危ない検索」 390円だと思ったら…55万円請求!
「その検索、ちょっとまって!」――。高額な料金を請求されるトラブルが増えているとして、トイレが詰まっても慌ててインターネット検索して依頼しないように呼びかける東京都下水道局 @tocho_gesuido のツイートが、注目を集めました。トイレ修理に限らず、緊急時の〝レスキュー〟サービスでは、悪質なケースの報告が増加。若い世代のトラブルも目立っています。
「トイレがつまったことに慌ててインターネットで修理業者を検索し、上位に出てきたサイトで依頼をした結果、高額な料金を請求されるトラブルが増えています」
東京都下水道局が1月、こんなツイートをすると、4万件以上リツイートされました。
トイレから噴水のように水があふれ、座ったまま体が浮かび上がるインパクトの強いイラストに「ウォシュレットの逆襲」「そうはならんやろ」などのコメントが並びました。
一方、「トイレのつまりで15万円請求されました」「あやうく12万支払わされるところだった」といった報告も。深刻な実態がうかがえます。
トイレがつまったことに慌ててインターネットで修理業者を検索し、上位に出てきたサイトで依頼をした結果、高額な料金を請求されるトラブルが増えています。そんな困った時の連絡先を下水道局ではお知らせしておりますのでご活用ください。 pic.twitter.com/O17m3cMVZY
— 東京都下水道局 (@tocho_gesuido) January 18, 2022
国民生活センターによると、トイレ修理に関するトラブル相談は全国で相次いでいます。
夜に自宅マンションのトイレが詰まったというケースでは、40代の女性から相談があったそうです。
報告によると、女性は「料金390円から」というインターネット広告を見て電話。2人の男性作業員がやってきました。2人は「便器を外して排水管を確認する」「長年の汚れが蓄積して詰まった」「特殊な清掃が必要」などと言って、次々と作業を行いました。
詰まりは解消されたものの、女性は約55万円の契約書を渡されました。作業は全体で30分ほど。「現金払いならば50万円に値引く」などと言われ、その場で支払ってしまったそうです。
トイレ修理のような緊急の困り事に関するサービスでは、近年、トラブル相談が増えています。
国民生活センターは、「トイレ修理」のほか、「鍵の修理・交換」「害虫・害獣等の駆除」などを「暮らしのレスキューサービス」と命名。これらのサービスの相談件数は、2013年度に1801件だったのが、2020年度は5885件まで増加。21年度は2月末時点で5843件で、「昨年度を上回る見込み」(国民生活センター)です。
消費者トラブルは、一般的に高齢者で目立ちます。ところが、「暮らしのレスキューサービス」の相談者を分析すると、最も多かったのが20代でした。
「インターネット広告が関わる相談が増えています。ネット広告を媒介に、若い世代がトラブルに巻き込まれているのだと思います」(国民生活センター)。春は新生活が始まるシーズンでもあります。慣れない緊急の困り事の対応で悪質な業者の被害に遭わないよう注意が必要と、国民生活センターの担当者は呼びかけます。
インターネット広告がきっかけになったトラブル相談は近年の特徴です。ネットに表示された安い価格を見込んで依頼するものの、当初とはかけ離れた金額の請求になるケースが目立つそうです。
国民生活センターが2020年度の「暮らしのレスキューサービス」を分析したところ、相談が最も多かったのは「トイレ修理」で、全体の4割以上を占めました。
契約購入金額の平均額もまとめています。もっとも高額なのは、「害虫・害獣等の駆除」で23.8万円。「水漏れ修理」17.7万円、「トイレ修理」17万円と続きました。
深夜に自宅マンションの鍵を紛失したことに気づいた20代女性のケースでは、インターネット検索して見つかった事業者に電話で依頼しました。「最も高額な作業でも8000円~」とありましたが、「特殊な鍵なので、解錠に8万円、シリンダー交換に2万円」と言われ、現金がないと伝えると「持っている金額でやってあげる」と、5万円に減額されたそうです。
本当に必要な作業か聞くと、「あなたの個人情報を知っている」と言われて、怖くなって作業に承諾し、費用も払ったそうです。
国民生活センターは、まず「インターネット上の広告金額をうのみにしない」ことを挙げます。ほかにも、「契約をせかされる、次々と高額な作業を提案される場合は断る」「(作業後に高額な金額を請求された場合は)納得できなければ、その場で支払わない」といった点も、ポイントに挙げています。
「訪問販売」の場合、いったん契約をしても8日以内であれば、無条件に撤回できる「クーリングオフ」という制度が特定商取引法で定められています。「自分で依頼した場合は、この仕組みが適用されない」などと説明する悪質業者もいますが、表示金額と実際の金額が著しく異なる時は、「訪問販売」として制度が適用される可能性があります。
また、「8日以内」は契約書面を受け取ってから数えるので、適切な書面がない時は、支払いから日数が経っても制度を活用できる場合があります。
消費者ホットライン「188(いやや!)」で相談を受け付けています。
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