話題
まるで金魚なバッグたち! ウロコから手作り「持ち歩けるアートに」
受け付け開始から数分で締め切られるほど人気のオーダーメイド品「金魚バッグ」です。
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受け付け開始から数分で締め切られるほど人気のオーダーメイド品「金魚バッグ」です。
金魚を立体的に再現したバッグ、亀の甲羅のようなリュック――。受け付け開始直後に枠が埋まってしまう人気のオーダーメイド品で、国内外の美術館や博物館からも展示オファーが届いています。すべて一人で手作りしている女性に話を聞きました。
昨年12月、「アトリエイワキリ」がホームページで受注を開始したところ、4分で予定数に到達。オーダー順に制作中のため、再開は来年春ごろを見込んでいます。
制作しているのは、福岡県在住の岩切澄子さん。
もともと舞台やCMの衣装制作などを手がけており、レザーバッグを作り始めたのは2002年ごろでした。
カエル雑貨が人気だった店で、手作りしたカエルや金魚のバッグを披露したところ、販売してもらえることに。
その店が閉店したため、自分でブログやホームページを立ち上げて、受注生産を始めました。
カバやカメレオンなど生き物をモチーフにしたバッグを作り続ける理由について、岩切さんはこう説明します。
「置物ではなく、生活をともにできて持ち歩けるアート作品にしようと思ったからです。身に着けることでいつも触れ合っているような感覚になれるかなと考えました」
2016年には「金魚バッグ」がネット上で注目を集めました。
顔の表情だけでなく、長いヒレや一枚一枚型抜きして縫い付けられたウロコなど、細部に至るまでリアルさを追求したショルダーバッグ。
ストラップの長さを調整して口と尾ヒレの部分に収納すると手提げバッグにもなります。
背中の部分には大きく開くファスナーが取り付けられていて、内側にもポケットをつけるなど、バッグとしての使いやすさも工夫されています。
素材もスムースレザーやヌバック、ベロアなどから選べて、注文を受けてからひとつずつすべての工程を一人で仕上げています。
「注文は国内・国外で半々ぐらいです。ただ、今のところ海外発送はしていません」と岩切さん。
海外からの注文については、来日した際に宿泊先のホテルに発送したり、日本在住の友人などを経由して送ったりしています。
昨年4月にはデンマークの博物館から出展依頼があり、新たに制作したそうです。
「翻訳しても半分くらいしか理解できなかったのですが、なぜか『これ、参加したい!』と、あまり深く考えずお受けしました。アンデルセン童話の人魚姫が印象深かった国なので、とても嬉しかったです」
デザインだけでなく、バッグとしての耐久性にも気をつかっているという岩切さん。
以前は珍しさから購入する人が多かったそうですが、最近では実用品としてのニーズが高まっていると感じています。
「これからも作品を求めてくださった方、関わってくださった方々に誇りを持っていただけるよう、もっと努力したいです。一点一点を丁寧に、精いっぱい作っていきます」
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