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フィギュア選手に欠かせないティッシュ、遠心力で「ビューン」
カバーにこだわり、羽生選手のお気に入りは
いよいよやって来たフィギュアスケートのシーズン。華麗な演技に釘付けになる大会のテレビ中継ですが、よく見ると、不思議なアイテムがあることに気づきます。「タオルじゃなくて、なぜティッシュ?」「スケートの刃にくっつけているケースみたいなものは?」。どれも選手のこだわりがあるのです。スケート選手の持ち物について、選手経験のある記者が解説します。
「スケート選手にティッシュは命」
そう言っては過言ではありません。普通、スポーツだとタオルを使うものですが、スケート選手はティッシュを持ち歩いています。
理由は簡単です。「鼻水が飛び散らないように」です。
なにかとくるくる回るフィギュアスケート。鼻水が少しでも出ていると、遠心力で飛び出してしまうのです。青鼻が出ているときは恥ずかしくてスピンなどできません。
私は小さい頃、男の子が鼻水がぶら下がったまま回っているのを目視したことがあります。滑走中、鼻水が出ているな、と思うと集中できなくなってしまいます。
なので、練習中も定期的に鼻をかみます。ただ、このときが注意です。あまり何度もかんでいると「さぼっている」とコーチに怒られます。(苦笑)
ティッシュのカバーと言えば。。。ファンの人だけでなくても思い出すでしょう。羽生結弦選手は、某ディズニーキャラクターの黄色いくまさんを使っていましたね。
大会の演技のあと、シャワーのようにプレゼントのぬいぐるみがリンク内に投げ込まれる光景を思い出すでしょう。
最近、選手たちがかわいらしいカバーを持ち歩いていて、ネットでもロシア女子選手「コストルナヤ選手のユニコーンのカバーが欲しい」などコメントを見かけます。
昔はよくティッシュ箱に油性ペンで名前を書いていましたが、最近は色々かわいらしいぬいぐるみが出ていてうらやましいです……。
羽生選手が出番の前におでこにコツン、としている棒はなんでしょうか??
スケートリンクに入るまでにリンクサイドを歩くときにエッジ(刃)を保護するカバー「エッジケース(カバー)」です。
エッジが少しでも傷ついてしまうと、滑るときに支障が出てしまいます。リンクサイドを歩くときは、エッジケースで刃を守ります。
エッジケースは、樹脂でできていてプラスチックのようですが少し柔らかいです。2つのパーツをバネでつなげて、刃にきちっとはまるようになっています。色はカラフルで、最近は香り付きのものやラメ入り、マーブルカラーなど様々です。
色の選択には、選手の個性が出ます。私はラッキーカラーの組み合わせをどこかで調べてきて、ピンクと黄色の2色を使っていました。
選手の練習の「3種の神器」は、ティッシュ、エッジケース、飲み物ですね。
大会には、スーツケースで臨むことが多いです。スケート靴が重いですし、宿泊もともなうためです。スーツケースと、ななめがけの大きなアメリカのメーカーのバッグが流行っていました。たくさん柄があり、誰のものかすぐ見分けがつきます。
大会中に必ず必要なものは、靴、本番用コスチューム、タイツ、そして音源です。
また、音楽のプレーヤーやイヤフォンは自分のプログラムの音楽を聴いて何度もシミュレーションをして踊ったり、または集中するために自分の好きな音楽を聴く選手もいます。
大会前にちょっと栄養補給をする必要もあります。私はすぐエネルギーになるもの、そのまま飲めるパック入りのゼリーや、ブロックタイプの栄養食を食べていました。
スケートの大会の中継で、よく選手の準備している様子や、バックヤードの映像が流れますよね。そのときに選手の持ち物にも注目してみたら、意外な一面が見えるかもしれません。
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