連載
#50 コミチ漫画コラボ
涙目の娘、トラックが…当たり前だった安心、保育士さんの凄さ漫画に
「いくつかの歯車が外れていたら…」実感して気付いたこと
ひとりさんが保育園に娘を送り届けると、ちょうど先生が子どもたちとお散歩に出かけようとしていた時でした。「じゃあ外まで一緒に」と歩道まで出たところで、先生に引き渡します。ひとりさんは娘に「先生と手をつないで」と伝え、横断歩道を渡っていきました。
しかし、父が離れていったことを理解した涙目の娘は「とうと…」と身を乗り出そうとします。その時、横断歩道の信号は赤。娘の目の前を、大きな音を立ててトラックが通過していきました。
作者のひとりさんは、今回のエピソードをについて育児する上で改めて危機感を持たなきゃと思った瞬間で、保育士さんたちが日常的にこうした危機に直面していると実感した出来事」と話します。
実際には目の前をトラックが通っただけで、娘がギリギリまで飛び出していたり、今にも車に轢かれそうだったりというほどではありませんでした。それでも、3~4年経った今も鮮明に覚えているほど、「記憶に強く残っていた」といいます。
「もしも先生が手を握ってくれていなかったら娘はじっとしてくれていたのか、もしも先生の手がもう少し緩んでいたらどうなっていたのか……。別れて駅に向かうまでの間、『いくつかの歯車がちょっとでも外れてしまっていたら』という想像をすると、血の気が引いていました」
「これからも記憶に留めておくため、また子どものけがをひとつでも減らせたら」という思いから、当時の出来事を漫画にしました。
作中のシチュエーションで思い浮かぶのは、「子どもから目を離さないように」という注意。保護者の方々は耳が痛くなるほど聞いているのではないでしょうか。ひとりさんも「子どもから手や目を離さないということは日頃から意識していたつもりで、特段油断していた訳ではない」と話します。
しかし不安定な場所に立とうとしたり、突然全体重を親に預けてきたり、予想できない行動を取るのが子ども。「自らけがをしにいくようなところがあって、『目を離さないで』の一言で言われてできるほど、おおざっぱなものではないんだなと実感している」といいます。
「世の中のお父さんお母さんたちのツイートなどを見ても、うまくいかず自分を責めている人も多いです。『もっとちゃんとしなきゃ』って落ち込んでしまう人は、きっともう一生懸命やった後なので、『自分だけじゃないんだ』と胸をなで下ろしてもらえる漫画になっていればと思います」
こうした限界を痛感する中で思うのは、「保育士さんのすごさ」。特に新型コロナウイルスの影響で保育園が臨時休園になり、リモートワークになったひとりさんにとって、この期間は改めてありがたみを感じる機会となりました。
「今は娘は小学1年生になりましたが、もっと小さかったら仕事どころじゃなかっただろうし、24時間気を張り続けるのは無理なことです。改めて安心して預けられる先生がいるっていうのは本当ありがたいことだと思っています」
当たり前のように我が子の手を握ってくれていた保育士さんの手は、きっと今も他の子どもたちもさまざまな脅威から守ってくれています。私たちが知り得ぬところで、守られている命があることを、ひとりさんの漫画を読んで実感しました。
ぽんすけ成長日記その188
— ひとり@育児マンガ「ぽんすけ成長日記」連載中 (@hitorie1983) May 25, 2020
「彼女の流儀」
冒険心あふれるのはよいことだと思います。
関係ないのですが、中学生の頃「るろうに剣心」の瞳孔が開く感じの瞳の表現に憧れていました。3コマ目にそれが表れています。#ぽんすけ成長日記#自粛中の遊び#ジェンガ pic.twitter.com/Yza4jKTMEr
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