マンガ
お祭り中にスマホばかり見てる男児 「イマドキの子は…」と思いきや
お祭りなのにスマホばかり見てる男児。それには意外な理由がありました。
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お祭りなのにスマホばかり見てる男児。それには意外な理由がありました。
父親と夏祭りに出かけた男の子。ヨーヨー釣りをしてもリンゴ飴を買っても、ずっとスマホを握って眺めています。「いまどきの子どもは」と怒りたくなりますが、それには理由があって――。そんなストーリーの漫画がツイッター上で注目を集めています。作者に話を聞きました。
今月6日に「スマホ世代」というタイトルでツイッター投稿された漫画。
父親と夏祭りに来た男児が描かれており、右手にスマホを握って画面を見つめています。
お面を買って、ヨーヨー釣りをして、リンゴ飴を買って、くじを引いて。
その間もずっとスマホを握りしめています。
「ドン」という大きな音がして振り返ると、大きな花火が上がっていました。
花火に向かってスマホを向ける男の子。画面にはビデオ通話中の妹が映っています。
男の子は動画を見ていたわけでもなく、ゲームをしていたわけでもなく、風邪をひいて夏祭りに来られなかった妹のために、祭りの様子をビデオ通話で伝えていたのです。
花火を見て「きれいだね おにいちゃん!」と言う妹に対して、「次はかぜひくなよ」と話しかける男の子。
よく見ると、肩には妹のために買ったお面がぶら下がっていました。
スマホ世代 #特別じゃない日 pic.twitter.com/elX0irgq1R
— 稲空穂◼️アルネの事件簿1巻4月27日発売 (@ina_nanana) August 6, 2019
この漫画に対して、「スマホの正しい使い方」「スマホ世代を揶揄する内容かと思ってたら心温まった」といったコメントが寄せられ、リツイートは7万、いいねは27万を超えています。
「自分の出来事をきっかけにして、『あったらいいな』という要素を入れて描きました」と話すのは、作者の稲空穂(@ina_nanana)さん。
ジーンピクシブで『おとぎ話バトルロワイヤル』を連載中で、月刊コミックジーンでは『アルネの事件簿』のコミカライズを担当しています。
投稿の数日前に思いついて描いたという今回の作品。稲さんの家族は海外におり、週1回ビデオ通話をしていることがきっかけになっています。
「ビデオ通話を登場させる物語を考えるうちに、夏といえばお祭りだなと、つながっていきました」
スマホをいじっていた理由がわかった後にもう一度読み返すと、新たな気づきがあります。
自分のお面だけでなく妹の分も持っていたり、手に提げている袋からリンゴ飴の棒が2本出ていたり。細かな部分まで描き込まれているのです。
「読み返してもらった時に、違った印象で捉えてもらえたらいいなと思って描きました」
コメントでご指摘いただいたのですが、こちらのお話の兄妹のその後のお話でした。気付いていただけて嬉しいです☺️https://t.co/Qy5rgAjD1U
— 稲空穂◼️アルネの事件簿1巻4月27日発売 (@ina_nanana) August 7, 2019
最後の兄妹の会話以外、セリフが登場しない点については、「読んだ人ごとに解釈が違う作品も好きなので、いろんなことを想像してもらいたいなと思いました」と稲さん。
作品が話題になったことについては、こう話します。
「多くの反響をいただいてビックリしています。共感していただける部分があったのであればうれしいですし、読んだ方々がご自分の身近な人を思い出すきっかけになれば、もっとうれしいです」
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