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IT・科学

#世界絵文字デー、Twitterに「おしどり」出現 あの県と異色コラボ

#世界絵文字デーに合わせてTwitter社が制作したオシドリのハッシュタグ
#世界絵文字デーに合わせてTwitter社が制作したオシドリのハッシュタグ

目次

Twitter上でハッシュタグの後に「#選挙」や「#七夕」など、特定の言葉を入力すると、期間限定で表示される絵文字があります。17日には「世界絵文字デー」に合わせて、鳥つながりである鳥取県とコラボした「おしどり」の絵文字が出現しました。これらは通常の絵文字(Twemoji)とは異なり、一つ一つがオーダーメイドで制作されています。世界では1カ月に約100種類の「カスタム絵文字」(ハッシュフラッグ)が登場していますが、その制作の進行管理を一手に担っているのは、アメリカ本社のLauren Elleboudtさんです。カスタム絵文字についてLaurenさんは、「ハッシュタグの利用を高め、そのトピックを盛り上げるツールとして浸透しているのを実感する」と話します。

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「鳥」つながりで鳥取県とコラボ

世界絵文字デーに合わせたカスタム絵文字は今回、Twitter Japan社が企画しました。オシドリは鳥取県の県鳥ということで、#世界絵文字デー のほか、#鳥取県 や #おしどり のハッシュタグなどで、カラフルなオシドリが出てきます。

英語の #WorldEmojiDay でも表示されるので、今年は海外のツイートにもオシドリが登場します。Twitter Japanによると、日本の自治体とカスタム絵文字のコラボをするのは初めてです。

アメリカのTwitter本社では、世界に35カ所以上あるオフィスから受け付けた絵文字のリクエストを、デザインや法務、安全性などに関わる部署とともに形にしています。その司令塔が1年半前にカスタム絵文字の担当に就任したLaurenさんです。

デジタルマーケティングに関する知見を買われ、別の企業からTwitterに移ったLaurenさん。各国のリクエストを受け付ける他に、自ら主導してカスタム絵文字を作り出しています。話を聞きました。

Lauren Elleboudtさん=Twitter Japan社提供
Lauren Elleboudtさん=Twitter Japan社提供

世界で1カ月に約100種類を制作

――カスタム絵文字とはどういった機能ですか?

「ビジュアルによって利用者の気持ちを動かし、会話を活発にしてもらうことを狙った機能です。たくさんの利用者にとって、興味関心がありそうな季節やイベントに合わせたものから、特別な記念に作るものまで、幅広くあります」

「最近ですと、サッカーの女子ワールドカップやアベンジャーズ、ゲーム・オブ・スローンズの絵文字を手がけました。もちろん、『日本ならでは』というような、特定の文化・言語にひもづいたハッシュタグもあります。ブランドのキャンペーンで使われることもあります」

「制作しているカスタム絵文字は、1カ月に100種類ほどです。各地のオフィスからリクエストを受け付けていますが、その数はこの2~3年で急速に伸びています。カスタム絵文字を楽しんでもらえる機会が増えていることや、企業にとってもカスタム絵文字を持つ価値が高まっていることが背景にあります」


オシドリの色、ビビッドからソフトに

――その中で、日本の特徴はありますか?

「1カ月に制作する絵文字の中で、日本の割合は15%ほどです。これは他の国と比べると高い数字になります。それぞれのキャンペーンやテーマがユニークなので、『日本の特徴はこれ』と言うことができないのですが、文化的に好まれる色や題材などについては、デザインをする上で気を配っています」

――どういうことですか?

「例えば、#世界絵文字デー の色合いは、原案ではもっとビビッドでしたが、柔らかいカラーに変更しました。これは日本のオフィスからの『日本ではもっとかわいらしい、ゆるキャラ的なものが好まれるので、もうちょっと柔らかいトーンにして欲しい』という要望に応えました」

「その国でどういったデザインが好まれるかは現地が一番理解しているので、基本的にはリクエストをしてきたチームの考えを聞きながら制作していきます。世界絵文字デーの場合は、オシドリの写真とともにコンセプトも日本から伝えてもらったので、デザイナーとの間に私が入ってベストな表現を探りました」

「各国からのリクエストを受けて制作する場合、作りたい絵文字の情報が多ければ多いほどデザインは完璧に近づきます。日本からの依頼は、どういったハッシュタグにつけるかなど、いつも情報量が多いです」

「一方、他の国からのリクエストの中にはアイデアが固まっていない段階のものもあります。そういった時にはこちらから質問を投げかけたり、どのハッシュタグがいいか会話量を調べたりして、一緒に探りながら制作をしていきます」

当初のビビッドなカラー(左)から日本オフィスの要望を受けて抑えめの色合いになったオシドリ=Twitter Japan社提供
当初のビビッドなカラー(左)から日本オフィスの要望を受けて抑えめの色合いになったオシドリ=Twitter Japan社提供

センシティブなキャンペーンには細心の注意

――これまでに制作が難しかった絵文字はありますか?

「一つ一つに難しさがあるので、一概には言えませんが、デザインが難しいということで言うと、グローバルなキャンペーンで使われる絵文字には細心の注意を払います。様々な文化圏に配慮したり、#世界自殺予防デー のようなセンシティブなテーマの場合は、誰かを傷つけたり、誤ったメッセージを送ったりしないように熟慮を重ね、制作にも時間をかけています」

「こうしたデザインの時には課題がいくつも出るのですが、課題が出ることは私たちにとって、ある意味楽しみでもあります。課題があっても、それを解決できたときはうれしいので、チームで楽しみながら制作をしています」



よりワクワクする体験を追求

――ソーシャルメディアやデジタルマーケティングに長く携わっているLaurenさんにとって、絵文字の価値はどんな所にありますか?

「絵文字の素晴らしい点は、一人一人の体験や会話にあわせて、幅広いテーマから選べるところです。利用者の中には絵文字だけを使ってツイートをする人もいます」

「私が関わっているカスタム絵文字は、1年前と比較すると、一般の利用者や企業のブランド、アーティストなどの間で、ハッシュタグへのエンゲージメントをより高めるツールとして浸透しているのを実感します。実際にハッシュタグを用いたカスタム絵文字で、そのトピックに対するやり取りが活発になっています」

「絵文字をキャンペーンで使うことによって、利用者に興味を持ってもらえる。企業にとっては競合との差別化にもつながっています」


――最後に、Twitter上でのコミュニケーションを今後、どうしていきたいですか?

「昨年のサンクスギビング・デーや今年の年明けに、いいねボタンを押すとアニメーションが出てくる機能をリリースしました。これは期間限定でしたが、利用者からも好評で、よりスケールをさせていくにはどうすればいいか、今後に向けた開発をしています」

「私がTwitterで非常に素晴らしいなと思っているのは、何よりも利用者を第一に考え、決断をしていることです。その中で日本のチームは、カスタム絵文字のデザインを投票で決めるなど、利用者とのインタラクティブなやり取りをリードしてくれています」

「こうした、より心のこもった結びつき、よりワクワクする体験を追求し、ソーシャルメディアの世界で今後も、利用者を大切にする空間を作っていきたいです」


空から見た鳥取砂丘=朝日新聞社ヘリから
空から見た鳥取砂丘=朝日新聞社ヘリから 出典: 朝日新聞

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