ネットの話題
これが本場の擬人化やで!海外から注目、五輪「非公式」プロジェクト
これぞCool Japan! ツイッターにはファンアートが続々と集まっている
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これぞCool Japan! ツイッターにはファンアートが続々と集まっている
「ワールドフラッグス」は1年ほど前に誕生した、国旗図鑑サイトです。と言っても、ただ国旗を紹介するサイトではありません。
サイトには、各国の国旗をモチーフに、和装した姿に擬人化させたイラストがずらり。例えば、主要8カ国(G8)の国旗たちは「侍集団 示・英都」の剣士に。
日本はやはり長着に袴で、和傘に日本刀。イタリアは緑白赤の三色を基調とした鎧をまとった槍使いで、カナダは赤い楓が特徴的な狩装束の弓使い、などなど……。
侍だけではなく、スウェーデンは平安装束、ブラジルは僧兵といったスタイルで、伝統的な和装が取り入れられています。
このイラストにツイッターには、海外からの反応が集まっています。「私の国だ!ありがとう」「かなりハンサム」と自分の国旗の「和装姿」に感激する声や、日本のアニメカルチャーを生かしたプロジェクトに「すばらしい」と称賛する投稿もありました。
中国のSNS「微博」(weibo)でも、イラストが話題となり、「中国は格好いいですね。やっぱり日本は中国をよく知っています」「来年の東京オリンピック、かなり面白そう!」というコメントが寄せられています。
このワールドフラッグスは、「カマヤマモト」主宰の個人プロジェクト。知人などに声をかけ、構想に賛同した人たちで運営し、イラストは5~6人の絵師さんとともに制作しているといいます。
着想は、各国の旗のデザインや、その由来・意味などを調べるなかで、旗の面白さや魅力に気付いたことから得たそうです。2020年の東京五輪を前に、日本の伝統的な和装と掛け合わせることを思いつき、プロジェクトを立ち上げました。
広報を担当する山田耕三さんは、「日本の方には、自国の文化を通じて海外の様々な国に興味を持ってもらいたい」といいます。
各国のページを開いてみると、国旗やその意味とともに、国の歴史や文化、その国発祥のことわざも紹介しています。
山田さんによると、海外の方から、「自国のことわざを、他国の人に知ってもらえるのは嬉しい」という意見をもらったそうです。「それぞれの国の相互理解を深めるのにことわざを知るのは良い方法かもしれません」
また、G8やEUなどの参加する会議や経済共同体もタグのように表示されていて、「学校で勉強すると難しいと思える内容が、楽しく頭に入ってくればよいと考えています」。
特に大切にしているのは、自国の国旗とともに他国の国旗を尊重するということ。「国旗を侮辱的に扱うような表現は絶対にしないようにしています」と山田さん。
その上で、海外からも好意的なコメントが集まっていることについて、「予想以上の反響に驚いていますし、素直にうれしい」と喜びもひとしおです。「海外の方に多く知ってもらうことで、日本のアニメ文化を飛躍させる一助になれば」
オリンピックに向けて、今後も問題のないよう、慎重に旗の擬人化をすすめたいとのことです。「理想的には東京オリンピックに参加する全ての国と地域の国旗をキャラクター化したい」と意気込んでいます。
ちなみに、このプロジェクトの運営は、構想に賛同した有志のみなさんのボランティアで成り立っています。
サイトに設置した広告で得た収益は、イラストレーターに還元しているそうなのですが、「現状かなりの赤字になっております」。今後の収益化が課題のようです。
日本語以外の言語への対応も行いたいとのことですが、人手が足りていないそう。ボランティアでプロジェクトを運営する悩みも垣間見えました。
東京五輪開幕まであと400日を切りました。山田さんはオリンピックに訪れる人たちに向けて、「和装をして見に来てほしいです。アニメ大国日本を楽しんで、好きになってほしい」と話しています。「一緒に東京オリンピックを盛り上げていきましょう!」
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