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ミス東大もびっくり 最も「アフリカらしくない」ファッションショー
アフリカだけど、民族衣装じゃない――。ミスコンや雑誌にも登場する女子大生モデルたちが、アフリカの10の国にまつわる衣装を着て、ランウェイを歩くファッションショー『Tokyo Africa Collection』が19日、東京都台東区の浅草橋ヒューリックホールで開かれます。当日の司会(MC)を務める私は、学生時代からこのショーに関わって、アフリカに対するイメージが180度変わりました。女の子たちの華やかなステージをきっかけに、アフリカのことを少し考えてみる夏にしませんか。(澪花)
コラボイベントなどを含めると5回目となる、大学生が中心のファッションショー。「最も『アフリカ』らしくないショーで、アフリカ観を変える」をテーマに、ファッションが大好きな女性たちにアフリカの魅力を伝えることを目指しています。
ショーには、昨年のミス日本女子大の東菜美子さんやミス慶應2018ファイナリストの小田安珠さんら、22人の学生がモデルとして出演します。モデルは、南アフリカやカメルーンなど10カ国の特色から着想を得てデザイナーが制作した、オリジナルの衣装を着て登場。シエラレオネなど、マイナーな国も紹介されます。
過去にはミス東大2016の篠原梨菜さんも参加しました。南スーダンを担当した篠原さんは「アフリカ諸国の魅力を服や演出で表現していて、想像以上におしゃれ。良い意味でびっくりしました。民族衣装だけでは表現できない、アフリカの知られていない一面を感じることができました」と振り返っています。
アフリカというと、ニュースや学校での授業から、「危険・貧困」といったネガティブなイメージだけを抱いてしまう人も少なくありません。実際、私もその一人でした。しかし、2年前にMCとしてショーに携わると、その印象ががらっと変わったんです。
一番ビックリしたのは、アフリカは色とりどりの魅力にあふれているということ。広大な自然を表現した深緑、現地の花嫁をイメージしたピンク……ランウェイにあふれる色彩に胸が躍りました。
そして衣装は、自分も着てみたくなるほどにオシャレで可愛いんです。「LUMINE」でお気に入りのお店をのぞいて「あの服可愛い!」と思うのと同じように、アフリカの国々をイメージした衣装はとても魅力的に思えました。
ショーでは、衣装を見るだけでも国ごとに多種多様な特色があることがわかります。今思えば当たり前ですが、どこかアフリカをひとつの国かのように捉えていた私にとっては、大きな気付きでした。
「アフリカの国ってこんなにカラフルなんだ!」。ライトを浴びながらランウェイを歩く女の子たちを見て思ったのを、昨日のことのように覚えています。
そもそも、私が関わるようになったのは、運営の中心スタッフとしてイベントに携わっている菅生零王さん(25)に誘われたのがきっかけでした。その時に言われた言葉が心に残っています。
「チャリティーイベントでは結局、アフリカに興味がある人にしか届かない。今回やりたいのは、アフリカに興味がない若い人たちへのアプローチなんだ」
早稲田大で紛争問題などを学んだ菅生さんは、アフリカの人たちを継続的に支援するためにも、まずは興味を持ってもらうことが必要だと感じたそうです。そのためには、貧困問題や紛争といった「ステレオタイプのアフリカ」ではなく、各国のポジティブなイメージを衣装で表現した「格好いいアフリカ」を知るきっかけにしてもらう。そうした思いから、2016年にこのファッションショーが生まれました。
当時の私も、アフリカには詳しくない、ファッションが大好きな、よくいる大学生。菅生さんからそう言われ、ターゲット層と自分が一致していることから、観客と同じ目線で司会進行ができると確信し、参加しました。そして、大学を卒業してもショーに関わり続けています。
MCを務めるのは今回で3回目。このショーを通じて、以前よりもアフリカが身近になりました。アフリカのニュースにも関心を持つようになったし、インスタでモロッコのフォトジェニックなスポットを調べるようにもなりました。まだアフリカに行ったことはないけれど、距離はぐっと縮まったように思います。
ランウェイあり、パフォーマンスありの2時間。東京ガールズコレクションに行くような感覚で、ぜひ純粋にショーを楽しんでほしいです。平成最後の夏、あなたにとって、特別な「アフリカ」が見つかると思います。
Tokyo Africa Collectionは19日午後3時(開場午後2時半)から、東京都台東区の浅草橋ヒューリックホールで。チケットは一般が2800円、学生が1800円です。詳しくは公式ホームページに掲載されています。
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