連載
#7 ネットの話題フカボリ
「あなたらしくない」に苦しんだ過去… 立ち直った漫画作者に聞いた
ツイッターに投稿された漫画『はじめて心が折れた人』が注目を集めています。
進学した専門学校をやめて感じた「自分は逃げた」という思い。友だちに話したら「らしくない」と言われ、「そんなん、私が一番知ってる」と自宅で一人で泣いた――。ツイッターに投稿された漫画『はじめて心が折れた人』が注目を集めています。実体験を描いたという作者に話を聞きました。
今月6日にツイッター投稿された漫画『はじめて心が折れた人』。
主人公は、自分のことをポジティブな性格だと思っているイノさんです。
この漫画に対して、「同じような経験あるから同感しまくり」「今この状況で泣きそうになりました」といった声が寄せられ、リツイートは3万、いいねは9万を超えています。
作者は、アルバイトをしながらイラストレーターを目指して活動している夏ノ瀬いの(@stylish_gorilla)さんです。
どのような思いで、この漫画を描いたのか? 詳しく話を聞きました。
――この漫画を描こうと思ったきっかけは
私のことを「明るくパワフル!」と思ってくださるフォロワーのみなさまから、よく相談をいただきます。つらく落ち込む気持ちや「今の状態から抜け出せないんじゃないか」みたいな不安は、すごく共感できます。なので、自分の中でも少しずつ受け入れられるようになってきた弱さを、漫画という形で伝えようと考えました。
――すべてのエピソードが実体験なのでしょうか
はい、そうです!
【実録】はじめて心が折れた人。①
— 夏ノ瀬 いの (@stylish_gorilla) 2018年7月6日
自他ともに私のメンタルは頑丈だ!!
という認識だったので
折れた時、ほんとーーーーーにどうしていいか分かりませんでした。
そんな時、私が救われたエピソードを...。
②に続きます。 pic.twitter.com/YpthhNjWvM
――描く上で心がけた点は
私に対して残念がっていた子たちも、決して悪意がある訳ではないですし、そういう立場に自分も知らず知らずのうちになっているかもしれません。全話を通してどちらの気持ちも分かるようにと考えました。
――漫画を通じて伝えたかったことは
自分がダメダメなとき、一番責めてくるのは自分だったりします。それは頑張れる人だからこそなので、許してあげてということ。そして、周りの人は、「今」の「その子自身」をしっかり見てあげてほしい、ということです。
描いたのは、あくまで私の例であって、復活する期間や方法は人それぞれです。「こうじゃなきゃいけない」なんてことは、一つもありません。それぞれの向き合い方がありますから。
――たくさんの反響が寄せられています
多くの方に共感していただき、「私だけじゃなかったんた」と私自身も救われました。コメントを拝見して、どこかの誰かの気持ちを軽くできたんだな、と嬉しくなりました。
――いま苦しんでいる人に向けてメッセージを送るとすれば
折れる時は折れます、ダメな時はダメです(笑)。でも、それは決して悪いことじゃありませんよ。今すぐ立ち上がろうとしなくていいので、ちょこっと気が向いたタイミングとかに、好きなことから始めてください。
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