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「心臓発作にならない方法」求め、増えるボードゲームカフェに潜入

「心臓発作にならないための10の方法」、みなさんご存じですか。字面だけ見ると、よくありがちなネット記事のような感じがします。ですが、これ、ボードゲームなのです。日本各地で増えているボードゲームカフェに行って色々と触れてみました。

「心臓発作にならないための10の方法」=東京都台東区
「心臓発作にならないための10の方法」=東京都台東区

目次

 「心臓発作にならないための10の方法」、みなさんご存じですか。字面だけ見ると、よくありがちなネット記事のような感じがします。ですが、これ、ボードゲームなのです。義理のお母さんの来襲を避けたり、他人にヤバい食べ物を食べさせたり、離婚したり、はたまた長期休暇をとったり…。人生ゲームが発売50周年を迎えた中で、ボードゲームの人気が高まっているようです。各地で増えているボードゲームカフェに行って色々と触れてみました。(朝日新聞デジタル編集部・影山遼)

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オープン3年でも「老舗」

 人生ゲームはシリーズ60作品に達し、累計1500万個以上が販売されているようにボードゲーム自体の歴史は深いです。一方、ボードゲームカフェとなると、つい最近できた店が多いようです。

 「心臓発作~」を教えてもらうために向かったボードゲームカフェ「上野上さま」は、東京メトロ千代田線の湯島駅から2分ほど歩いた雑居ビルの2階にありました。2016年7月のオープンです。新しい業態のため、この業界では3年も経つと「老舗」の部類になるとか。

雑居ビルの一室にひっそりとあります
雑居ビルの一室にひっそりとあります

2日間で2万人を動員

 以前は雀荘だったため、麻雀もできます。ですが、店内は禁煙。ドリンクも頼むことができ、クリーンな雰囲気が漂っています。この店、今でもちゃんと風俗営業法の許可を得て雀荘を営業しています。雀荘って風俗営業法が関わってくるのですね。

 ボードゲームカフェは、都内に80店舗ほどあります。全国には200店舗(店長情報)あるそうで、増えているようです。

 電源を使わないアナログのゲームが一堂に会するイベント「ゲームマーケット2018春」は、2日間で2万人(主催者発表)を動員するほど、ボードゲーム自体の人気が出ています。

クリーンな店内
クリーンな店内

550種類以上のゲーム

 店内にはUNOなどの有名なゲーム以外にも、550種類以上のゲームがあります。見たことのないようなゲームが大半です。

 新入社員の歓迎会などでも使われ、貸し切りもしています。

壁一面に並ぶボードゲーム
壁一面に並ぶボードゲーム

 店長の松岡知宏さん(38)は「最初は私物の20種類くらいから始めました」。小さい時に転勤族だった松岡さんは「ボードゲームを一緒にすることで初めて出会う友達ともすぐ仲良くなれたので、ゲームが大好きになりました」と話します。

 現在は、別の仕事をする傍ら、夜にカフェの運営をしています。

ゲームの説明をする松岡知宏さん(中央)
ゲームの説明をする松岡知宏さん(中央)

他人を不健康に…

 だいぶ話はそれましたが、「心臓発作にならないための10の方法」は簡単に言えば、様々なイベントを乗り越えながら血圧や肥満、うつ、ガン、コレステロールの数値を維持し、生き残りを目指すチェコ発のボードゲームです。

 会社員として生活する中で、ストレスや誘惑をうまく避けながら、最後まで健康にいることと、他人に容赦なく不健康な物を振ることが求められます。海外のゲームですが、日本の現実の生活にえらい近いゲームですね。

 2~5人で遊ぶことができ、4320円(税込み)です。

体に悪そうな…
体に悪そうな…


「仕事と家庭は不倶戴天の敵」

 ルールブックは「仕事と家庭は不倶戴天の敵としてあなたの時間と気力を激しく奪いあっています」との書き出しから始まります。

 「ナイトライフや怠惰といったあなたの大罪を贖うのは、たまにやるスポーツや、場当たり的な健康生活への挑戦だけ」とリアルな言葉が続き、「迷惑事、パーティー、親戚来訪といった危機が常にあなたを脅かしています」と。人生をしっかりと反映したゲームです。

 対象年齢は10~99歳。100歳以上がプレーしてはいけない理由があるのでしょうか。

義母の来襲はストレスなのでしょうか…
義母の来襲はストレスなのでしょうか…

 墓場マークに到達すると、プレーヤーは死亡してゲームから脱落します。最後の1人になるまでゲームは続きます。

 勝利するのに求められるのは「日常生活に潜む精神的・肉体的脅威にもっともうまく対処すること」。世の中には想像もしないような内容のゲームがあるものです。

「ユウスケ」も大変です
「ユウスケ」も大変です

学生も訪れるボードゲームカフェ

 話を再度戻します。「上野上さま」には、「カラオケやボウリングに行こう」というような感覚で訪れる学生も多いとか。

 日本ではまだ販売されていない種類もあり、松岡さんの選球眼で「ライトからディープな層までお付き合いいただけるラインナップがそろっている」そうです。海外のものでも、ルールを教えてもらえるので安心です。

 ボードゲームの販売もしており、実際に買っていくお客もいました。
 

海外のボードゲームも多数
海外のボードゲームも多数

はまる記者

 取材に訪れた日のテーマは「正体隠匿ゲーム会」。日によってテーマを決めてゲームをやるイベントが開催されています。初心者でもゼロから教えてくれるスタンスのようです。

 正体が分からないようにする「ワンナイト人狼」などが実施されており、参加してみるとはまってしまい…。いつも仲間内でやるとすぐに処刑されてしいますが、初対面の方々とやると楽しいものです。

 取材が1時間だったのに対し、4時間ほどゲームにのめり込んでしまいました。これは危ない。今後も面白いボードゲームの世界を紹介するかもしれません。

ちまたではやっている外交ゲーム「Diplomacy」
ちまたではやっている外交ゲーム「Diplomacy」
<上野上さま> 東京都台東区上野1-2-5-205
料金 一般500円、4人以上400円、学割300円(いずれも1時間)
営業 平日(午後5時半~午後11 時)、土日祝(午後1~10時)、水曜定休
電話 03-3836-1869
Twitter ‎@ueno_uesama
ホームページ http://uenouesama.com/

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