MENU CLOSE

話題

あの「きぬた歯科」を超える看板登場! この手があったとは…上手い

「きぬた歯科の看板を超えた」と注目を集めている看板があります。

話題の看板はこちら
話題の看板はこちら 出典: きぬた歯科提供

目次

【ネットの話題、ファクトチェック】

 院長の「顔出し看板」を200以上設置している歯科医院があります。八王子にある「きぬた歯科」です。名前は知らずとも、看板を見れば「あー知ってる」という人も多いのではないでしょうか。ネット上で「あの看板を超えた」と注目を集めている看板があります。設置した会社と、きぬた歯科の院長に話を聞きました。

【PR】手話ってすごい!小学生のころの原体験から大学生で手話通訳士に合格
きぬた歯科の看板。あなたもどこかで見かけたことがあるのでは?
きぬた歯科の看板。あなたもどこかで見かけたことがあるのでは? 出典: きぬた歯科提供

歯医者だけに「歯が立たない」


 東京都八王子市にある歯科医院「きぬた歯科」。

 渋谷や横浜といった繁華街から、東京近郊の山梨や埼玉にまで、約230の看板を設置しており、そのほとんどにきぬた泰和院長(51)の写真が使われています。

 今月1日にツイッター投稿された画像。写っているのは八王子市内の五差路に設置された看板です。

 まず目を引くのが、黄色い背景に大きく院長が写ったきぬた歯科の看板。しかしよく見ると、その真上の看板にこんな文字が書かれています。

 「きぬた歯科より目立ちたいけど、歯が立ちません」

 知名度のあるきぬた歯科の看板を利用したキャッチコピーで、相手が歯医者だけに「歯が立たない」といダジャレになっています。

 この投稿に対して、「センス良すぎ」「座布団一枚あげてもいいんじゃないでしょうか」といったコメントが寄せられ、リツイートは3万、いいねは5万を超えています。

話題の看板はこちら
話題の看板はこちら 出典: きぬた歯科提供

不動産会社の看板です


 この看板を先月中旬に設置したのが、同じく八王子にある不動産会社「エスエストラスト」です。アパマンショップのフランチャイズに加盟しています。

 「これまでにも地元ネタ看板を数多く設置してきましたが、ここまで拡散したのは初めてです」と話すのは経営企画部の広報担当・前田友香里さん(34)。

 かつてはアパマンショップを前面に出した看板を設置していましたが、それほど効果が上がらなかったそうです。

 「認知度を上げるために、クチコミやSNSで話題になる看板を作ろうということになり、おもしろ看板を設置している不動産屋さんにも視察に行きました」

 これまで、「北野から、きたの?」「西豊田駅って、どうなるのかな」といった地元の人にはわかる看板を設置してきました。

エスエストラストが設置した看板
エスエストラストが設置した看板 出典: エスエストラスト提供


 すると、ある大家さんから「きぬた歯科の上の看板が空いたみたいだよ」と連絡があったそうです。

 「いつか挑戦したいと思っていました。設置にあたっては、もちろん事前にきぬた歯科さんとお話させていただきました」

 ブランディングを担当している会社やコピーライターも交えて設置場所を確認。キャッチコピーは6案作ったそうですが、現地で浮かんだ「歯医者さんだけに歯が立たない」に決まりました。

 話題になったことについて、前田さんはこう言います。

 「八王子が盛り上がって、住みたい街になってほしいというのが私たちの願いです。今後も場所があれば面白い看板を設置したいと思います」

きぬた院長の思いは

きぬた歯科の看板。あなたもどこかで見かけたことがあるのでは?
きぬた歯科の看板。あなたもどこかで見かけたことがあるのでは? 出典: きぬた歯科提供


 この看板に対して、きぬた院長はどんな思いでいるのか?

 「詳しい中身までは知りませんでしたが、こう来たかと感心しました。ぜんぜん怒ってなんかいませんよ。八王子を活性化させたいという気持ちは同じですから」

 そもそも、なぜこんなに多く看板を設置しているのか? 当初は八王子市内にいくつか設置していただけでしたが、あまり効果はなかったそうです。

 「看板を設置するのが趣味なんです。人生って短いじゃないですか。周りを気にして何もしなかったら、あっという間に終わってしまう。先日、大杉漣さんが亡くなったと聞いて、余計にそう思うようになりました」

きぬた歯科の看板。あなたもどこかで見かけたことがあるのでは?
きぬた歯科の看板。あなたもどこかで見かけたことがあるのでは? 出典: きぬた歯科提供


 八王子に限らず、他県にまで看板は増え続けていますが、「あれを見て来ました」という人は今もほぼいないそうです。

 それでも、自分で車を走らせて気になる場所があれば交渉。高速道路から見えた畑が気に入り、地主にお願いして自ら看板を立てたこともあるそうです。

 「完成した看板を見ると高揚するんです。まるで自分がその街に遊びに行って、仲間になった気分になります。もはや理屈じゃないんです」

 話題になったことについては、こう話します。

 「ささいなことでも楽しいことって、きっとあります。例えば『新しい通勤ルートを発見した』でもいいんです。私にとってはそれが看板でした。いつか道頓堀のグリコの隣に看板を出すのが私の夢です」

関連記事

PICKUP PR

PR記事

新着記事

CLOSE

Q 取材リクエストする

取材にご協力頂ける場合はメールアドレスをご記入ください
編集部からご連絡させていただくことがございます