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男も満足「ネイルサロン」でもらった「やる気」 爪かじりの深爪が…
爪を切るのが下手です。白い部分を全て切ってしまうのが当然だと思っていました。昔、爪をかじる癖もありました。爪の形は悪くてボロボロ。そんな時、自宅の近くにあるネイルサロンで「深爪矯正」ができると耳にしました。そもそも爪ってなんでしょう。きれいな爪は今からでも手に入れられるの? 場違い感もある中、サロンで色々と習ってきました。(朝日新聞福井総局・影山遼)
落ち着いた雰囲気の店内は、これまでの人生で見たことのない品々が出迎えてくれました。JR福井駅から歩いて3分ほどのこの店の名は「m's nail(エムズネイル)」。杉本舞美さん(33)が色々と教えてくれながら、担当してくれました。
深爪の矯正といっても、なくなった爪をいきなり復活させられるわけではありません。爪を気にしないように、上から付け爪をして、自分の爪(地爪/自爪)を伸ばします。
ドキドキします。店内には女性のお客さんしかいませんでしたが、杉本さんいわく「全国的に見ると、感覚的にですが、お客さんの1割くらいが男性」。心強い話です。男性ネイリストも多く、「私たちの業界では常識」と杉本さんは言い放ちます。
まず、手を消毒します。施術を受けている間、改めて自分の手を見ると微妙なものです。左右の長さと幅が違います。みなさんも思い当たる節があるかもしれませんが、小学生の時の授業中などに爪をかんでいたツケが回ってきたようです。
その後、皮膚と爪の間の甘皮を1本ずつ除去してもらいます。手動で、機械で、はさみのようなものでと3種類の方法で取り除くという念の入れよう。とらなくても問題ないけれど、とればさらにきれいに見えるとのことでした。
甘皮が消えたら、爪の表面を少し傷つけます。これは、次の段階でひっかかりができるようにするためです。全て終えて、爪の表面も消毒したら、本番です。
地爪に合わせて銀色のシールで土台を作ります。形をフィットさせることで、これからつける付け爪と違和感なくつながるようになるそうです。
「長さ形は自由自在!」というように筆で器用に爪を作っていきます。塗っているのはアクリル樹脂。歯医者でも使われるものだそう。そもそもネイルに使われる樹脂は、歯科用のが元々だったといいます。どおりで歯医者と同じようなにおいがするわけです。
みるみる爪っぽいものが出来てきます。固まるとそれはもう爪! 複数のやすりで形を整えていきます。男性は磨きたいから来店する人が多いらしいです。手が粉っぽくなるのと、磨く音がかなりする以外は楽しいです。不思議とやる気がみなぎって来ました。
別のやすりで磨いていくと爪にとんでもないツヤ! 上からジェルを塗ることでさらにツヤが出るそう。これ以上のツヤがあったら、ちょっとビビりますね。
一般的にネイルサロンのデビューはいつごろなのでしょうか。杉本さんは「高校生や大学生の夏休みが多いです」と話します。小学生で始めてしまうと爪が軟らかいのでやらない方が良いようです。
就活中だという20歳過ぎの男性が来店したこともあるとか。都会では営業の男性が爪にまで気を使うことが珍しくないとのうわさもあるそう。都会はすごい…。
大人になっても爪をかんでしまう人は多いようです。かみ過ぎて血だらけ、爪が通常の半分ほどの人もいたとか。イライラした時に癖で爪をかんでしまう人もいますよね。
かかったのは2時間で、しめて「1万1880円」。初回20%引きということで、9504円でした。1本約千円。経費で落ちないでしょうかね…。
自分の爪が生えてくるまで、このままにしておきます。つけ爪をしたことで爪をかまなくなります。だいたい3週間を空けて、また見てもらいます。顔に似合わないスタイリッシュな爪を手に入れられるでしょうか。
爪に好きな模様を印刷できるプリンターはすでに販売されていますし、つけ爪にICチップを埋め込んでSUICAのように使える技術も実用化を目指しています。爪の世界は奥が深く、どんどん進歩していくのですね。
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