MENU CLOSE

話題

なぜ全ケーキの断面を載せた… 伊勢丹バイヤーの情熱爆発カタログ

ある百貨店のクリスマスケーキカタログが「担当者の情熱が爆発してる」と話題になっています。

伊勢丹新宿本店のケーキカタログ
伊勢丹新宿本店のケーキカタログ 出典: 三越伊勢丹ホールディングス提供

目次

【ネットの話題、ファクトチェック】

 ある百貨店のクリスマスケーキカタログが「担当者の情熱が爆発してる」と話題になっています。掲載されているすべてのケーキについて、外観だけでなく断面まで紹介しているのです。「どのお客さまにとっても、クリスマスケーキは1年に1度の大切なお買いものですから」と話すバイヤーに、制作の経緯を聞きました。

【PR】盲ろう者向け学習機器を開発。畑違いの挑戦に取り組んだ技術者の願い
アヴランシュ・ゲネーの「エールローズ」と、その断面イラスト
アヴランシュ・ゲネーの「エールローズ」と、その断面イラスト 出典: 三越伊勢丹ホールディングス提供

見開きいっぱいにケーキ断面


 今月12日、「今年は去年以上に担当者の情熱が爆発していて全ケーキの断面図が掲載されている」という文言とともにツイッター投稿された画像。

 そこには百貨店「伊勢丹」のクリスマスケーキカタログが写っていて、見開きいっぱいにケーキの断面を描いたイラストが並んでいます。

 この投稿に対して、「図鑑みたいで楽しんで決められそう」「パティシエさんのこだわりも伺えるし、実際選ぶのに大変重宝するからいいことしかない」といったコメントが寄せられ、リツイートは4万9千、いいねは9万3千を超えています。

こちらは生ケーキのカタログ
こちらは生ケーキのカタログ 出典: 三越伊勢丹ホールディングス提供

バイヤーに聞きました


 三越伊勢丹ホールディングスの広報担当者によると、このカタログは伊勢丹新宿本店のもので、他にも三越日本橋本店、三越銀座店などでも制作されたそうです。

 なぜ断面を紹介することになったのか? 担当した新宿商品部アシスタントバイヤー・宇野佑衣さん(30)に話を聞きました。

 ――断面を紹介している商品には、どのようなものがありますか

 ケーキとシュトーレンです。ケーキは断面をイラストで、シュトーレンは写真で紹介しています。

 ――どこで見ることができますか

 店頭カタログとホームページ上でご覧いただけます。

 ――すべての商品で断面を紹介しているのですか

 カタログ掲載商品はすべて断面を紹介しています。伊勢丹新宿本店の場合、生ケーキ44商品、冷凍ケーキ16商品、シュトーレン14商品です。

シュトーレンも断面を紹介
シュトーレンも断面を紹介 出典: 三越伊勢丹ホールディングス提供

今年で4年目


 ――いつごろから始めた取り組みなのでしょうか

 クリスマスケーキは2014年から、シュトーレンは2016年からです。

 クリスマスケーキについては、最初はケーキの中身(土台部分)のみでしたが、2016年からは飾り(可食部分)も掲載しました。

 2017年からは味わいを想像しやすいよう、説明文も併記しています。

パティスリー ヨシノリ アサミの「エトワール アルザス」と、その断面イラスト
パティスリー ヨシノリ アサミの「エトワール アルザス」と、その断面イラスト 出典: 三越伊勢丹ホールディングス提供


 ――なぜ、クリスマスケーキの断面を紹介することにしたのですか

 前提となる考えは以下の3点です。

(1)どのお客さまにとっても、クリスマスケーキは1年に1度かぎりの大切なお買いもの

(2)大切な方との集いの場でお召し上がりいただく場合が多い

(3)予約をされるご本人の好みだけでなく、一緒に食べる方の好みや苦手な食材など熟考する必要がある

 お客さまが味を想像しやすく、苦手な食材をカタログ上で判断できるよう、断面を作成しています。

 また、お客さまがケーキを切り分ける瞬間を楽しみにしていただけるよう、あえてイラストにしています。

ブボ バルセロナの「ロレーク」と、その断面イラスト
ブボ バルセロナの「ロレーク」と、その断面イラスト 出典: 三越伊勢丹ホールディングス提供

あたたかい気持ちが広がりますように


 ――お客さんからの反応は

 「分かりやすく購入の参考になる」「選んでいる時間が楽しい」というお声をいただいています。ツイッターで話題になっていることについては、とてもありがたいです。

 ――バイヤーとしての思いは

 まずは、パティスリーや洋菓子ブランド、イラストレーター、広告やデザインの制作会社のみなさまに改めて感謝申し上げます。

 今年は断面の情報をより詳細にし、説明文も追加しました。作成する上で重要な点は、情報の正確性です。

 断面の情報を事前に頂戴しますが、カタログ撮影時にすべての商品の味を私自身で確認し、記録した断面の写真と照らし合わせ、お取引先、宣伝部の担当とともに校正を複数回繰り返し、完成しました。

 シェフ一人ひとりの「1年に1度だから、手間がかかっても最高のものを」「一番美味しいと信じている味わいを」という思いをお客さまが聞いたら、きっと喜んでもらえると思い、今年は「なぜそのような味のケーキを考えたのか」が分かるように、シェフご本人の言葉を、カタログに掲載しています。

アンリ・ルルーの「ガトー デクリネゾン《ラプサン》」と、その断面イラスト
アンリ・ルルーの「ガトー デクリネゾン《ラプサン》」と、その断面イラスト 出典: 三越伊勢丹ホールディングス提供


 また、今年は表紙を両開きにしています。どの商品も特別ですので、前の方、後ろの方ということは関係なく、あくまでもテーマに沿ってページを組んでいます。

 私どもの「あたたかい気持ちが広がりますように」「家族や友人や大切な方々とお食事をする、きっかけになりますように」という想いを込めています。クリスマスケーキを選ぶ時間も、お客さまにお楽しみいただければ幸いです。

関連記事

PICKUP PR

PR記事

新着記事

CLOSE

Q 取材リクエストする

取材にご協力頂ける場合はメールアドレスをご記入ください
編集部からご連絡させていただくことがございます