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「ソーリ、ソーリ」が生まれた瞬間 辻元氏が明かす“舞台裏”
野党などが政府の考えをただす「国会質問」。野党の質問時間を減らす時間配分の変更を巡ってバトルが繰り広げられていますが、立憲民主党の辻元清美氏は「質問で政府を動かすこともできる」と言います。「ソーリ、ソーリ」の場面が生まれた「舞台裏」。一つの質問にかける思いを聞きました。(朝日新聞政治部記者・南彰)
「ソーリ、ソーリ」が生まれたのは、2001年のこと。小泉純一郎首相(当時)に集団的自衛権の認識をただして「総理」を連呼しました。
当時について、辻元氏は次のように振り返ります。
「国会名場面?(笑)。『総理、総理』と小泉さんに聞いた時は、言葉では硬いけれど、集団的自衛権の行使について聞いたわけです。ちょうどイラク戦争とか、色んなことの時代背景も、その後出てくるですが」
辻元氏が連呼する様子は、まるで「ケンカ」のようです。
「いや、そんなことない。総理大臣に指名しているのに、集団的自衛権の行使って何かという基本的な質問を総理が逃げようとして、中谷元防衛大臣(当時)が出てきたから、『ちょっと、それは総理が答えないといけないでしょ。これは総理でしょ、いくらなんでも』と、総理、総理となってしまったんですよね」
10月の衆院選を経て、辻元氏は野党第1党となった立憲民主党の国会対策委員長となり、国会質問の最前線に立つことになります。
「言葉に力が出るのはですね、国民が聞きたいことを聞くということなんですよ。私の後ろにいっぱい国民の皆さんの声があって、国民のみんなが聞きたいことを聞いたときは、やっぱり迫力のある質問になると思うんですね」
論客として知られる辻元氏ですが、質問には相当、時間をかけると言います。
「ものすごい準備をするんです。一つの質問に1カ月ぐらいかけて準備してやる。だから、山のように資料をみるし、当事者の声をきいて、歩きまわって。当事者の思いと、自分の思いをぴたっと重ねて、バーンと聞くんですよ。そうすると、答弁もいいのがかえってきたりするんですね。野党は単に追及するだけじゃなくて、政府を動かすこともできると思いますよね、質問で」