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なぜ保冷剤風のパッケージに… ブラックモンブランが擬態した訳は?

九州で抜群の知名度を誇るアイス「ブラックモンブラン」の新パッケージ版が注目を集めています。

保冷剤みたいなパッケージのブラックモンブラン(上)。裏面にはおなじみのロゴが
保冷剤みたいなパッケージのブラックモンブラン(上)。裏面にはおなじみのロゴが 出典: 竹下製菓提供

目次

【ネットの話題、ファクトチェック】

 九州で抜群の知名度を誇るアイス「ブラックモンブラン」。そんなロングセラー商品の新パッケージ版が、全国のドン・キホーテで限定販売されています。一見すると保冷剤にしか見えない包装ですが、なぜこのようなデザインになったのか? 製造元の竹下製菓(佐賀県小城市)に聞きました。

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ブラックモンブランとは?

こちらが通常品の「ブラックモンブラン」
こちらが通常品の「ブラックモンブラン」 出典: 竹下製菓のホームページより


 「ブラックモンブラン」は、バニラアイスにチョコレートとザクザク食感のクランチがコーティングされたアイスで、1本税抜き100円で販売されています。

 栗を使っているわけでもないのに、なぜモンブランなのか? その理由は、竹下小太郎・前会長がアルプス山脈の最高峰「モンブラン」を目前に眺めたとき、「この真っ白い山にチョコレートをかけて食べたら、さぞおいしいだろう」との思ったことがきっかけだったそうです。

 今月22日から、全国のドン・キホーテ(一部店舗を除く)で販売されている限定品の名前は『DO NOT EAT』(オープン価格)。見た目は保冷剤のようですが、ひっくり返してみるとおなじみの「ブラックモンブラン」のロゴが現れます。

竹下製菓に聞きました

冷凍庫に入れるとこんな感じ(黄色い丸で囲んだ3カ所)
冷凍庫に入れるとこんな感じ(黄色い丸で囲んだ3カ所) 出典: 竹下製菓提供


 わざわざ保冷剤に似せたパッケージにした理由は何なのか? 商品開発室の宇佐美麻衣子さんに話を聞きました。

 ――保冷剤に似せたパッケージを企画した狙いは

 「ホームページなどでご紹介した通り、アイスは冷凍庫に入れておくと、勝手に誰かに食べられてしまうことが多く、それが原因で悲しい思いをされる方が結構いらっしゃいます」

 「弊社としては、おいしく楽しいアイスで人々を幸せにしたいと思っているのですが、そのアイスが原因で逆に悲しい思いをしている人がいらっしゃるのを、どうにかしてなくすことが出来ないかと思って作りました」

 ――きっかけがあったのでしょうか

 「社長がアイスの研究をするために自社や他社のアイスを自宅の冷凍庫に保管しておいたら、いつの間にか子どもたちが勝手に食べて無くなっていたということがしばしば起きた、と言う経験がもとになっています」

色にもこだわりが

有明海のムツゴロウのパッケージも検討したそうです
有明海のムツゴロウのパッケージも検討したそうです 出典: 竹下製菓のホームページより


 ――ホームページには霜やカニ、ムツゴロウといったパッケージも試みたとありますが

 「あちらの試行錯誤の内容はネタではなく、実際に検討した内容です。ボツにした理由が若干異なるくらいで、検討内容や順番などは全て本当の話です」

 「ネタのように見えるかもしれませんが、これまでに前例のないパッケージを実際に発売まで持って行くために、開発担当者は関係当局や団体に何度も相談をして、かなり苦労しました」

 ――保冷剤に決まった理由は

 「実際に中に入っていない食品だと景品表示法上問題になってしまうので、『食品以外で冷凍庫の中に入っていても違和感が無いものが何かないか』と考えていた時に、何げなく冷凍庫を開けてみたら保冷剤が目に留まり、『これだ!』と思ったんです」

 ――デザインする上で工夫した点は

 「本物の保冷剤に見えるよう、色味にはかなりこだわりました。様々な保冷剤を研究して、真っ白ではなく若干水色味がかった『保冷剤っぽい色』をベースにしています。また、保冷剤をよく見ると、中身のジェルが入っている部分は色が少し濃く見えます。なので、中心部分は外周部分に比べて若干ですが、色を濃くしてあります」

 「デザイン的にも、保冷剤でよく採用されている『同じデザインが規則的に繰り返すパターン』にしてあり、ドン・キホーテ様のキャラクター『ドンペン君』へのオマージュで、ペンギンのキャラクターを使っています」

なぜドン・キホーテのみ?

新楽曲『わたしのアイス食べたでしょう?』をリリースしたトミタ栞さん
新楽曲『わたしのアイス食べたでしょう?』をリリースしたトミタ栞さん 出典: 竹下製菓提供


 ――ドン・キホーテ限定にした理由は

 「通常の小売店の場合、客層と合わずに売りづらかったり、本物の保冷剤を間違えて食べてしまう誤食のリスクを懸念して取り扱わない可能性があったりします。一方、ドン・キホーテ様の場合、独自の視点で様々なジャンルの面白い商品を取り扱っていらっしゃるので、お店の方針や客層が本商品と合致しています」

 「誤食のリスクに関しても、普段から本商品と同じような少し攻めたリスクのある商品を取り扱っていらっしゃるため、店頭でのPOPを使った注意喚起といった対応方法を熟知されており、お客様側もこういった商品へのリテラシーが高い方が多く、誤食のリスクが限りなく少ないと判断したことが決め手となりました」

 ――発売期間や数量などは限定されているのでしょうか

 「数量が限定されているため、予定数量が売り切れ次第終了です。既に在庫が少なくなってきているのでお早めにお買い求め下さい」

 ――話題になっていることについては

 「正直ここまで反応があるとは思っていなかったので、非常に嬉しく思います。一人でも多くの方にブラックモンブランを知っていただければと思います」

 ――ブラックモンブランを食べたことがないという人に向けてメッセージを

 「発売48周年で、九州では古くから親しまれていますが、九州以外の地域では残念ながらあまりなじみがないと思います。今回のように面白いことにチャレンジして、九州以外の方々にも知っていただければと思っています。これを機会にブラックモンブランを食べていただけると幸いです」

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