MENU CLOSE

コラム

書店ゼロの自治体が2割強に… 〝30秒で泣ける漫画〟の作者が描く

漫画家・吉谷光平さんが「書店ゼロ自治体」について描きました。

漫画「書店の無い町」の一場面=作・吉谷光平さん
漫画「書店の無い町」の一場面=作・吉谷光平さん

 書店が地域に1店舗もない自治体が増えています。ツイッターに投稿した漫画「男ってやつは」が〝30秒で泣ける〟と話題になった漫画家・吉谷光平さんが描きました。

【PR】手話ってすごい!小学生のころの原体験から大学生で手話通訳士に合格

漫画「書店の無い町」=作・吉谷光平さん
漫画「書店の無い町」=作・吉谷光平さん
 書店が地域に1店舗もない「書店ゼロ自治体」が増えている。出版取り次ぎ大手によると、香川を除く全国46都道府県で420の自治体・行政区にのぼり、全国の自治体・行政区(1896)の2割強を占める。「文化拠点の衰退」と危惧する声も強い。
漫画「書店の無い町」の一場面=作・吉谷光平さん
漫画「書店の無い町」の一場面=作・吉谷光平さん
 トーハン(東京)の7月現在のまとめによると、ゼロ自治体が多いのは北海道(58)、長野(41)、福島(28)、沖縄(20)、奈良(19)、熊本(18)の順。ほとんどは町村だが、北海道赤平市、同歌志内(うたしない)市、茨城県つくばみらい市、徳島県三好市、熊本県合志(こうし)市、宮崎県串間市、鹿児島県垂水(たるみず)市など7市や、堺市美原区、広島市の東・安芸両区の3行政区もゼロだ。

 出版取り次ぎ大手・日本出版販売(東京)の別の統計では「書店ゼロ自治体」は4年前より1割増えた。
漫画「書店の無い町」の一場面=作・吉谷光平さん
漫画「書店の無い町」の一場面=作・吉谷光平さん
 全国の書店数は1万2526店で、2000年の2万1654店から4割強も減った(書店調査会社アルメディア調べ、5月現在)。人口減や活字離れがあるほか、書店の売り上げの6~7割を占める雑誌の市場規模は10年前の6割に縮小。紙の本の市場の1割を握るアマゾンなど、ネット書店にも押される。経営者の高齢化やコンビニの雑誌販売なども影響する。日本出版インフラセンターの調査では、過去10年で299坪以下の中小書店は減少したものの、300坪以上の大型店は868店から1166店に増加。書店の大型化が進む。
漫画「書店の無い町」の一場面=作・吉谷光平さん
漫画「書店の無い町」の一場面=作・吉谷光平さん
 財団法人「出版文化産業振興財団」(東京)は1992~96年度、書店も図書館もない自治体を支援する事業を実施。1千万円分の約1万冊を提供し、各自治体が書店を運営する「公営書店」が北海道礼文町、岩手県三陸町(現大船渡市)、福島県飯舘村、長野県北御牧村(現東御市)、大分県耶馬渓町(現中津市)の5カ所に誕生したが、現在残っているのは礼文町のみという。
漫画「書店の無い町」の一場面=作・吉谷光平さん
漫画「書店の無い町」の一場面=作・吉谷光平さん

 【よしたに・こうへい】 漫画家。サラリーマン生活や漫画家アシスタントなどを経て、月刊スピリッツの「サカナマン」でデビュー。漫画アクションで「あきたこまちにひとめぼれ」を連載中、月刊ヤングマガジンの連載「ナナメにナナミちゃん」の単行本1巻が発売中。ツイッターで公開した2ページ5コマの漫画「男ってやつは」が〝30秒で泣ける〟と話題に。

関連記事

PICKUP PR

PR記事

新着記事

CLOSE

Q 取材リクエストする

取材にご協力頂ける場合はメールアドレスをご記入ください
編集部からご連絡させていただくことがございます