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『ドッキリ蛇口』が話題に 人気が出た商品は生産中止、その理由とは
「ドッキリ蛇口」がツイッターで話題になっています。
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「ドッキリ蛇口」がツイッターで話題になっています。
【ネットの話題、ファクトチェック】
上下逆さまに取り付けられた蛇口。ハンドルを回しても水は出ませんが、パイプ部分を回すとなぜかハンドル部分から水が――。そんな「ドッキリ蛇口」がツイッターで話題になりました。作ったのは大阪市にある水道用品を手がける会社です。「人気が出た商品は生産中止」「赤字でも続ける」。そんな方針でものづくりを続けている理由について、取材しました。
8月中旬、「ドッキリ蛇口に遭遇した」という文言とともにツイッター投稿された動画。
そこには、上下逆さまに取り付けられた蛇口が写っており、いくらハンドルを回しても水が出ません。しばらくして、上向きになっているパイプを下に向けると、ハンドル部分から水が流れてきます。
この動画に対して、「これ考えたやつ天才」「逆転の発想ですね」「1人だと反応に困りますね」といったコメントが寄せられ、リツイートは8万9千、いいねは14万を超えています。
この蛇口を作ったのは、水道用品の製造・販売などを手がけるカクダイ(大阪市)です。
「Da Reyaシリーズ」と名付けられたこれらの商品。すでに約50種類が制作され、やかんや手裏剣の形をした蛇口、水がたまって膨らんだように見える蛇口、異常にハンドルが大きい蛇口、などがあります。
「人気が出た商品は生産中止」「赤字でも続ける」というコンセプトで制作されているというDa Reyaシリーズ。なぜ、このような商品を作り続けるのか? 販売促進部広報課の課長、濱地亮さんに話を聞きました。
――Da Reyaシリーズ制作の狙いは
「開発コンセプトは『親子の会話』です。飲食店のトイレや幼稚園などの手洗い場でこの商品を見た子どもたちが、『自分も作ってみたい』『中身はどうなってるのか』『自分ならこうしたい』と考えて、そこから親子の会話が弾むことを願って作っています」
「そして、製造・販売している私たちだけでなく、商品を選んでくれた人、使ってくれた人、取り付けてくれた人、紹介してくれた人みんながハッピーになれることを目指しています」
――いつごろから発売して、どれくらい売れているのでしょうか
「2012年1月からの販売で、現在約50種類あります。販売実績は累計約9000個です」
――あえて増産せず、次々と新型を出すそうですね
「収益が出るほどたくさん売れた時点で、『一般的な蛇口=おもしろくない蛇口』になってしまいます。なので、一定数が売れたら生産中止とし、新型を作ります。不採算事業を整理して業績を確保するよりも、おもしろくした方が社会全体でハッピーになれる、と私たちは考えています」
――赤字でもシリーズを続ける理由は
「今まで作ったことのない新しい形に挑戦することで、技術力が向上しました。その結果、通常品の不良率低下や生産の効率化などを実現することができました。また、このシリーズの中には、社内公募から製品化されたものもあり、社員みんなのモチベーション向上、社内組織の活性化にもつながりました。そして何より、毎年新商品を楽しみにしていただいているお客様が大勢いらっしゃいますので、これからも頑張って続けていきたいと考えています」
――ネットで話題になったことについては
「おこがましくも、お笑いの街・大阪から世界に発信したいと思っているので、インターネット上で話題にしていただけることは、とてもありがたいと感じています。ひとりでも多くの方々にDa Reyaシリーズ、そしてカクダイという会社を知っていただきたいと考えています」
――今後の展開や目標については
「SNSの普及や、2020年東京オリンピックの開催は、世界の人に日本のものづくりをPRできるいい機会だと思います。日本だけではなく海外の人にもカクダイという会社のことを知ってもらい、ますますの認知度アップを図るとともに、これからもみなさんの記憶に残る商品を、ひとつでも多く作っていきたいと考えています」
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