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福山雅治は「嫌な奴」 映画試写会での“暴露”に、福山さんは…
9月9日より公開される福山雅治さん主演、是枝裕和監督作品「三度目の殺人」の完成披露試写会が行われました。ベネチア国際映画祭への出品が決まったこの作品、是枝監督も「これだけのキャストで撮れたことを誇りに思う」と振り返るのですが、ある俳優は福山雅治さんの第一印象が「嫌な奴」と言います。一体何があったのでしょうか。
7月31日、TOHOシネマズ六本木ヒルズにて、「三度目の殺人」の完成披露試写会が行われ、主演の福山雅治さんをはじめ、役所広司さん、広瀬すずさん、吉田鋼太郎さん、斉藤由貴さん、満島真之介さん、是枝裕和監督が登壇しました。
「三度目の殺人」は法廷を舞台にした心理サスペンス。福山さんが演じるのは、勝ちにこだわる弁護士・重盛。
重盛が担当することになったのは、死刑がほぼ確実な殺人事件でした。しかし、二度目の殺人だった容疑者、役所さん演じる三隅の供述は二転三転。
殺人の動機が見えない中で、浮かび上がってきたのは広瀬さんが演じた被害者の娘・咲江でした――。
舞台挨拶では、俳優陣は映画のイメージカラーである赤色を服装のどこかに取り入れていたのですが、是枝監督には赤が見当たりません。
司会者に「是枝監督は…?」と聞かれると、監督は少し考えて「……パンツが」と答え、会場の笑いを誘っていました。
初めて福山さんと共演したという吉田鋼太郎さんは、最初に福山さんと会ったときに「嫌な奴だと思った」と暴露すると、福山さんは「役じゃなくて僕が?」と戸惑います。
「台本を合わせる『本読み』で最初にお会いしたのですが、目も合わせないし、挨拶はしてもそれ以外口をきいてくれない」
「スターだから、こういう人なんだ。この人とこれから撮影するなんて……」と思ったといいます。ただ「緊張なさっていたのかな」と感じたそうです。
これに対し福山さんは「すごく緊張していました。ただ50(歳)近くになってこんなことを言うのもなんですが、基本人見知りなんですよね」と意外な一面を告白しました。「僕の中で鋼太郎さんも、本当は人見知りなんじゃないかな、と思ってしまった。人見知りシンクロというか…」と言います。
すると吉田さんも「僕も本当は人見知りなんですよ」と言い、「人見知りがシンクロすると、一言も口をきかない現象が起こる」と無事和解しました。
福山さんは初めて共演した広瀬さんについて、「是枝監督やリリー(・フランキー)さんから、『とにかく広瀬すずちゃんと会うと、甘酸っぱい気持ちになる』と聞いていた」と言います。
「いや~でもそんなことないでしょう」と思っていたそうですが、実際会ってみると「ま~甘酸っぱい気持ちになりますよね、なんなんでしょう」とぶっちゃけ、会場は笑いに包まれました。
一方コメントを求められた役所さんは「僕は斉藤さんも甘酸っぱい感じ」と答え、広瀬さんの母親を演じた斉藤さんも照れ笑いに。
これまで「海街diary」など、ホームドラマを中心に描いてきた是枝監督、今回の心理サスペンスは「挑戦することの多い現場だった」と言います。
「やれることはすべてやりきったと、出来上がった作品を見て思う。一人でも多くの人に作品を届けられれば」と思いを語ります。
主演の福山さんも「監督自身が創作の森の中にいるという感じだった。ご自身の葛藤を間近で見ながら、ハラハラしながらも、でもそこにワクワクを感じた。仕上がったものと見たらすべてが予定調和ではない、驚きと発見の連続。より作品に鋭さや奥行きが増したと感じる」と、是枝監督を称賛しました。
福山さんは本作品を「とても文学的でもあり、観ている人が一人一人が参加できる映画となった」と話します。
「自分だったらどうするのか、どの役に近い感情を抱くのか、と考えながら観られるエンターテイメント性も持ち合わせている。ぜひ存分に楽しんでいっていただきたいと思います」
東宝・ギャガ共同配給の「三度目の殺人」は9月9日(土)公開。8月30日からイタリアで開催されるベネチア国際映画祭のコンペティション部門にノミネートされています。
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