話題
「安全と云えるものは存在しません」 玩具の注意書きに込めた思い
乳幼児向けの玩具や自転車などを手がける「ピープル」(東京都)の商品パッケージ裏面に書かれた文章が、ネット上で注目を集めています。
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乳幼児向けの玩具や自転車などを手がける「ピープル」(東京都)の商品パッケージ裏面に書かれた文章が、ネット上で注目を集めています。
【ネットの話題、ファクトチェック】
「安全と云えるものはこの世に存在しません」。乳幼児向けの玩具や自転車などを手がけるピープル(東京都)の商品パッケージ裏面に書かれた文章が先日、ネット上で話題になりました。どんな思いが込められているのか? 広報担当者に話を聞きました。
ピープルが販売している、お米を原材料とした「お米の歯がため」。パッケージ裏面の「使用上の注意」の欄には、こんな文言が書かれています。
「安全と云えるものはこの世に存在しません。ですから行政は、全ての商品に“安全”の2文字の使用を禁止しています。この商品も例外ではありませんので、以下の使用方法を守ってお使いください」
5月上旬、「むしろ信頼できる気持ちになった」という文言とともに、この注意書きを写した画像がツイッター投稿されると、「このメッセージは正しいと思います」「モンスタークレーマーに対する対策として効果的な文言かも」といったコメントが寄せられ、リツイートは1万2千を超えました。
この文言を入れた理由について、ピープルの広報担当者はこう説明します。
「『工業製品では絶対安全なものはない』という創業者の思いを書きました。使い方によっては、安全なものも安全でなくなることを知っていただきたかったんです」
「○○してはいけません」という否定の注意書きではなく、わかりやすい言葉で親の気持ちになって文言を考えたといいます。
ベビー用品を手がけ始めた2001年以降、歯固めなど赤ちゃんが口に入れる商品にこの文言を入れてきましたが、現在製造している商品については記載がなくなっているそうです。
「私たちの思いが浸透してきたことと、書かなければならない事項が増えたためです」と広報担当者。
話題になったことについては「細かな点ですが、気づいていただきありがたいです。このことが、より安心して安全に製品を使っていただくきっかけになればうれしいです」と話しています。
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